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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第184話:希望に溢れる世界を愛して
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! この程度の炎で、アタシが参る道理はねえなッ!」
奏には颯人の魔力が宿っている。その魔力が彼女の身を守ってくれている為、アダムの生み出した火球の熱にも耐える事が出来ていた。
これでアダムに残された手は、迫るクリスとマリアの連携攻撃を睨み返す以外に無くなった…………かに思われた。
「フム……」
チラリと視線を巡らせれば、レギオンファントムは装者と魔法使い相手に完全に足止めをくらっている。一方サンジェルマンの方はと言うと、どうやら外的要因で儀式その物を中断させられたらしくウィザードに変身した颯人とファウストローブを纏ったカリオストロ、プレラーティと対峙しその近くにはティキが力無く倒れている。一見すると完全に詰みと言う状況だ。
しかしこの時、アダムの中に焦りの感情は存在しなかった。
「仕方がないね。そろそろ幕を引こうか、この茶番のね」
誰に言うともなくそう呟いた彼が、空いている方の手で指をパチンと鳴らした。
刹那、夜空に輝くオリオン座が怪しい光を放ちティキを中心に光の柱が立ち上った。
***
時は少し遡り、アダムとレギオンファントムを仲間達に任せて颯人は元パヴァリア光明結社の幹部2人と共に儀式にその身を捧げるサンジェルマンの元へと向かった。
彼が辿り着いた先では、儀式によりその命を散らそうとしている全裸のサンジェルマンにカリオストロとプレラーティが必死に声を掛けている所であった。
「サンジェルマン、もう止めてッ!?」
「目を覚ますワケダ、サンジェルマンッ! アダムは、あの男は、最初から私達の事等何とも思っていなかった! お前の望む理想だって、叶えるつもりがあるかどうか……」
苦楽を共にしてきた仲間達の必死の叫び。しかしその声も、今のサンジェルマンには届かない。
「カリ、オストロ……プレラー、ティ……私は……私は、それでも、私は……!」
サンジェルマンはこれまでに犠牲にしてきた命を無駄にせんが為、この世界を支配と言う軛から解放する為に世界を変えようとする。その為の第一歩が、今踏み出される。
地上に鏡写しに作り出されたオリオン座を中心に、世界中に向けて波動のようなものが放たれる。それが門が開いた事の証であると察したティキが、喜びの声を上げた。
「ッ! 開いた! 神出ずる門ッ!」
「レイラインより抽出された星の命に、従順にして盲目なる恋乙女の概念を付与させるッ!」
サンジェルマンが両手を天に掲げると、それに合わせてティキが新たに発生した光の柱の中に浮かび上がる。そして、その彼女の口と両目に彼女らが求める神の力とやらが入り込んだ。
「ア、アアアアッ! バイッデグルゥウウッ!!」
「ウウウゥゥ、アアァァ
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