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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第184話:希望に溢れる世界を愛して
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い音と重たい衝撃に彼女は思わず顔を顰めた。

「いっつ!? 何だこれッ!?」

 予想外の衝撃に思わず面食らう奏ではあったが、それでも気合で力を籠め帽子を明後日の方に向け弾き飛ばした。弾かれた帽子は回転を失わず境内の林の方へと飛んでいき、まるでカッターの様にそのまま林の木々を両断しながら弧を描きアダムの手の中へと戻っていった。あまりにも非常識な光景にマリアもクリスも開いた口が塞がらなくなった。

「嘘でしょッ!?」
「何で出来てやがんだあの帽子ッ!」

 彼女らが慄く前で、アダムは戻って来た帽子を手に取り優雅に被り直した。そして鍔の下から不敵な笑みを浮かべ、挑発的な視線を奏達に送った。

「フフッ、この程度かい? シンフォギアと言うものは?」
「あ? 嘗めてもらっちゃ困るな。そうだろ、2人共?」
「そうね」
「あぁ。このトンチキ野郎に目に物見せてやるッ!」

「「イグナイトモジュール! 抜剣ッ!」」
「さぁ、ショータイムだッ!」
【【DAINSLEIF】】
〈プリーズ〉

 クリスとマリアはイグナイトモジュールを、奏はウィザードギアとなってアダムと対峙する。現状でエクスドライブを除いた本気の彼女達を前に、しかしアダムは余裕そうな態度を崩さない。

「フン、元より僕は恐れていないよ。魔剣の力などね。それに……通用すると思うのかい? 付け焼刃の魔法程度が?」

 そもそもアダムは戦いの際にファウストローブを纏わない。あれはシンフォギアと同じく、女性にしか纏う事が出来ないものだからだ。故にアダムは戦いに際して、ファウストローブの火力と防御力に頼らぬ純粋な錬金術のみでこれまで戦ってきた。その戦いでレギオンファントムを相手に殆どダメージを受ける事無く互角に渡り合ったのだから、それだけでも彼の能力の高さを伺わせた。

 しかし奏は、自分の魔法を付け焼刃程度と侮られた事に対して挑発的な笑みを返した。

「ハッ! どうかな? これでも颯人の戦いを間近で見てきたんだ。付け焼刃でも、扱い方は良く知ってるんだよッ!」

 言うが早いか、奏は形状が変化したアームドギアでアダムに攻撃を仕掛ける。魔法の炎を纏った槍を振るうと、その刃の軌跡から炎の斬撃が放たれアダムへと飛んでいく。アダムはそれを錬金術の火球で迎え撃とうとしたが、斬撃と火球がぶつかる直前奏はある魔法を発動させた。

〈コネクト、プリーズ〉

 奏が発動した魔法はコネクト。空間同士を繋げる魔法であり、普段は遠くにある物を引っ張り出すのに使われる。
 だがこの時の奏はコネクトの魔法を別の事に使った。その利用法を目の当たりにした時、アダムも思わずその表情を崩した。

「何ッ!?」

 奏が魔法を繋げたのは、アダムの火球のすぐ前。そこに出現した魔法陣は
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