第一章
[2]次話
犬は犬を食べた人がわかる
ふわりは人に対して滅多に吠えない、非常に人懐っこくいい人には尻尾を振って目をキラキラさせて応える娘だ。
だがごく稀に吠える人がいて今通りがかった人に対してもだった。
「ワンワン」
「ふわりどうしたんだよ」
散歩をしているふわりの飼い主である国咲家の息子でラーメン屋で働いている洋介は彼女を見て少し驚いて言った。
「人に吠えるなんて珍しいな」
「私よく吠えられるのよ」
吠えられた初老の女性が答えた。
「実はね」
「そうなんですか」
「ええ、これがね」
見れば洋介が知らない人だ、はじめて見る人だ。
「ある時からね」
「ある時からっていいますと」
「犬を食べた時からよ」
「犬を食べるっていうと」
洋介はそう聞いてすぐにこう返した。
「韓国とかベトナムとか」
「いえ、日本にもまだね」
「犬を食べられるお店あるんですか」
「私色々変わったものを食べるのが好きで」
それでというのだ。
「結構ね」
「そういうものをですか」
「食べていてね」
そうであってというのだ。
「それで犬もなのよ」
「食ったことありますか」
「ええ、そうしたらね」
犬を食べればというのだ。
「それからなのよ」
「犬によく吠えられますか」
「そうなったのよ」
「そうなんですね」
「犬は匂いか何かでね」
そうしたことでというのだ。
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