第二章
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「世の中わからないものね」
「全くだな」
「それでもう予約取ってるのね」
「ああ、今からチェックインだよ」
「わかったわ、ではお客様」
ここからはだった、百瀬は仕事モードに入った、そして的確に仕事をしていき夫婦は部屋にチェックインしたが。
山本は部屋の中に自分達の荷物を置いてから妻に言った。
「北海道に戻ったと思っていてな」
「あっちに行かないとなのね」
「会わないと思っていたけれどな」
それがというのだ。
「まさかな」
「転勤多いって言ってたわね」
「世界中に展開している企業だしな」
「日本国内は言うまでもないわね」
「そうだな、考えてみたら」
夫は妻に腕を組んで考える顔で答えた。
「有り得たな」
「そして会って」
「思わぬ再会でな」
それでというのだった。
「驚いたよ、ただ別に仲悪くもなかったしな」
「お友達だったの」
「彼氏彼女じゃなかったけれどな」
それでもというのだ。
「普通に付き合っていたよ」
「そうだったのね」
「うん、ただあっちは仕事だし」
「私達はお客さんでね」
「今はお互いそういう関係でな」
それでというのだ。
「やってくな」
「そうしていくのね」
「今回の旅行は。じゃあまずは市街行こうか」
「ええ、観光はじめましょう」
「鹿児島の料理も食ってな」
「楽しみましょう」
夫婦で笑顔で話してだった。
部屋を出て観光をはじめた、その時山本はロビーで受付を続けている百瀬に笑顔で言った。
「行って来るな」
「行ってらっしゃいませ」
百瀬も笑顔で応えた、だがその顔はホテルの従業員の顔であった。今の二人はそうした関係であった。だがどちらも思わぬ再会にだ。
心の中で嬉しく思い続けていた、そうして旅行の間笑顔であり。
ホテルを出る時にだ、山本は百瀬に言った。
「また機会があればな」
「宜しくお願いします」
百瀬も笑顔だった、そしてだった。
再会する時を楽しみにしながら別れた、山本はいい旅行だと思い百瀬もいい仕事が出来たと思ってそうしたのだった。
ロビーでの再会 完
2023・12・22
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