第10話:次なる合戦
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あんととの合戦に敗けておったのか。
故にこのままではですあんとにこの国を明け渡さなければならなくなったので、某の様な死に場所になりそうな合戦を探し求める猛者を求めておったと。
とここで、セツナ殿がようやく口を開き申した。
「で、藁にも縋る思いで魔王軍の幹部を2人も殺したツキツバに最後の希望を託したと?」
ま、ノノ殿やセツナ殿が何と言おうと、某の腹は既に決まっておりまする。
「望むところです!」
「おい!デスアントが何者か知ってて言っているのか!?」
目の前の男性だけでなく、護衛やジョナサン殿までもが驚く。
「某が欲するは、某の死に場所に相応しい合戦のみ!それ以外は何も望みませぬ!」
すると再び部屋の中がざわつく。
彼らには某の返答が想定外だったらしい。
が、老年の男性だけは直ぐに口を開いた。
「よかろう。貴公が見事依頼を達成すれば、次の戦いの場に向かう為の旅費を払ってやる」
「いくら出してくれる?」
「3億」
ノノ殿とセツナ殿が再び驚き過ぎて逆に無反応になっておりました。
だが、国の命運が懸かっておるのあれば、救国の英傑に膨大な報酬を与えるのはよくある事です。
「1つ聞くが、貴公は本当に英雄の称号は求めぬのだな?」
「クドイ!某は名声の為に戦っておるのではない!誉高い討死を求め戦っておるのです!」
話は終わり、某はこの国を攻め落とそうとしている『ですあんと』なる軍勢を探し求めてその場を後にした。
去り際、後ろから「名前が出なければいいのだな」などと聞こえた……
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