第10話:次なる合戦
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セツナperspective
ロアーヌ伯爵の使者とこの会社の社員は知り合いだったらしく、そいつらの計らいで応接室に招かれた……
が、正直喜ぶべきなのか……
ツキツバの過去の事もある。難題を押し付けるふりして暗殺って展開もあり得るぞ。
……幸い。目の前のコーヒーに毒は入っていなかった。
「随分変わった茶碗ですな。で、この輪っかは何なのです?」
「それは取っ手と言ってね、こうやって持つの」
コーヒーカップを持ち辛そうにしているツキツバにコーヒーカップの持ち方を説明するノノ。
こっちの気も知らないで!
と叫んでしまいそうだが、下手に慌てて相手の思う壺と言うのも面白くない。
「実はロアーヌ殿から預かっている書状がありまする。ジョナサン殿を呼んできてもらえませぬか」
で、ツキツバは疑う事無くロアーヌ伯爵から渡された封筒を社員に渡した。
「一応ですが確認させていただきます」
彼は隅々まで確認してからツキツバに返した。
「間違いないようですな。では少しお待ちを」
ドアがノックされ男性が入室した。
今入ってきた男性は、赤毛の長髪に鼻の下には立派な髭のある、引き締まった中年男性だった。
「私がこの会社の社長を務めているジョナサン・ロックベルだ。君はロアーヌ伯爵の手紙を持っているそうだね。見せてもらえるだろうか」
「こちらです」
ツキツバが差し出した封筒を受け取った彼は、差出人と宛先を確認してから封を切る。
目を通した彼は、内容が面白かったのか僅かに笑みを浮かべた。
「ツキツバ・ギンコだったか、君はずいぶんアイナークで活躍をしたようだな」
「某は某がしたい事をしたまで。恩を受ける様な事は致しておりませぬ」
「ふっ、面白い女だな。伯爵が気に入るのも無理はない」
私は、その会話に恐怖を感じでつい話に割って入ってしまう。
「何?その言い回し?怖いんですけど」
「これにはずいぶんと君を褒め称える言葉が書いてあったぞ」
それが逆に怖いんですけど!
「よろしい、伯爵の要望通りにしよう。なんせ旧友の頼みだ」
「ほう。某はロアーヌ殿には合戦を所望したいと申しましたが、本当に用意して頂けるとは」
「それについては少し時間をくれ。そうだな、明日の夜にまたここへ来てくれるとありがたい」
「承知した」
ツキツバぁーーーーー!
少しは疑えよ!と言うか、訳が解らないぞ!完全に!
内心でモヤモヤしつつ明日の夜に再び来る事にした。
月鍔ギンコperspective
夜の帳が下りる頃、某達は運送会社の前に来ていた。
そこには一台の牛車が止まっており、まるで某達が来るのを待っているかの様だ。
屋形の戸を開けて出てきたのはジョナサン殿だった。
「よく来たな。とりあえず乗れ」
某達が乗り込もうとするが、どう言う訳かセ
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