暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第七十八話 教会長さんその二十

[8]前話 [2]次話
「普通に生きてきたこと後悔させてやるとか言いますし」
「残忍って言うけれど」
「凄いですよ」
「私も人のこと言えないけれどね」
 先輩は俯いて言われました。
「残酷だから」
「かんろだいの前のことですか?」
「校門でもね」
 こちらでもというのです。
「したから」
「そのことずっと気にかけておられるんですね」
「私がしたことだから」
 この時も俯いて悲しいお顔で言われました。
「だからね」
「そう言われますか」
「ええ、もう絶対にしないけれど」
 それでもというのです。
「私が凄く残酷な人間だということはね」
「自覚しておられるんですね」
「凄くね」
 そうだというのです。
「嫌になる位にね」
「それで新一君のこともですか」
「言えないわ」
「そうですか。けれど先輩は自覚されて」
 私が見る先輩は残酷さとは全く無縁な人ですが。
「ご自身で何とかされようとされていますね」
「この残酷な癖性分何とかしたいわ」
「そう思われて行動されているなら」
 それならです。
「いいと思います」
「ちっちはそう言ってくれるのね」
「新一君は自覚して、ですよ」
 それなのにです。
「ああしてです」
「あらためないっていうのね」
「自覚がないよりもです」
 自覚があってなおさないことはです。
「よくないですよね」
「それはね」
「ですから」
 先輩にお話しました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ