第三百二十八話 時間を操る力その一
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第三百二十八話 時間を操る力
ビル=ミッチェルはこの世界に来てすぐに声からこの世界床の世界における自分のことを聞いてだった。
今自分がデモインにいることを確認してとりあえず冒険者ギルドに赴いた、そこでまずは冒険者登録をしようとしたが。
受付の豹人の若い女は彼のステータスを見て眉を顰めさせて言った。
「バケモノですか?」
「心外ね、人よ」
ミッチェルは関西弁の訛りのオネエ言葉で応えた。
「あたくしは」
「そうですか」
「ついでに言うと身体は男だから」
「それはわかります」
受付の女は今度はあっさりと答えた。
「鬣で」
「雄ライオンのそれで」
「見事な鬣ですね、ですが」
「ステータスがなの」
「それと特技がです」
そちらも見て言うのだった。
「神霊の方々の域ですが」
「そこまで高いのね」
「高くて四十ですが」
「レベルがよね」
「貴方は二百を優に超えていますし」
受付の女はさらに話した。
「それに伴いステータスも特技もです」
「高いのね」
「しかも武器や防具が」
身に着けているものの話もした。
「かなり強化されていますね」
「普通の武器や防具やないですか」
「はい、何者ですか」
ミッチェル本人に怪訝な顔で尋ねた。
「一体」
「そう言われますと」
「正直にお話してくれますか」
ミッチェルに今度は眉を顰めさせて言った。
「まことに」
「内緒にしてくれますか」
「受付はプライバシーを守ることもお仕事です」
これが女の返事だった。
「それぞれの冒険者の方の」
「そやからですね」
「正直にお話して欲しいのですが」
「では何を言っても驚かへんですね」
「約束します」
今度はこの返事だった。
「偉大なるケルトの神々に誓って」
「お姉さんそっちの信者さんですか」
「ボアーン女神の」
「そうですか、ほなボアーン女神に誓って」
「内緒にします」
「ほなお話させてもらいますね」
関西弁の訛りのオネエ言葉の口調のままでだ、ミッチェルは答えた。そして自分が星の者だと正直に話した。
話を聞き終えてだ、女は仰天した顔になったが何とかという感じで我を保ってそのうえでミッチェルに言葉を返した。
「いや、まさか」
「あたくしが星の人やとですね」
「思いませんでした、ですが」
それでもというのだった。
「そのレベル、ステータスと特技を見れば」
「信じてくれますか」
「信じるしかありません」
そうだというのだ。
「まことに」
「信じてくれて何よりです」
「口で嘘は吐けても」
「レベルやステータスはですか」
「実力は嘘を吐けません」
こう言うのだった。
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