第百三十話 最高のカードその三
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「見極めてね」
「入ったのね」
「勿論採用してもらわないと駄目だけれど」
それでもというのだ。
「こっちも入っていいかどうか」
「そこを見極めることね」
「そうしないと後で泣くことになるわよ」
こう咲に言うのだった、彼女に語るその目も表情も真剣そのものであり咲にしても確かに聞くことが出来た。
「ブラック企業だと」
「入ったら自分が泣くから」
「気を付けてね」
「そうした会社には」
「咲ちゃん今はいいとこでアルバイトしているわね」
「ええ、凄くね」
バイト先のそれはというのだ。
「いいお店よ」
「それならね」
「そこで頑張ればいいわね」
「ええ、けれどね」
それでもというのだ。
「これから就職もするでしょ」
「大学に進学して卒業したら」
それならと言うのだった。
「その時にね」
「そこでよく見てね」
「いい会社かどうか」
「ブラックとかだと」
それならというのだ。
「もうね」
「入らない」
「そうすることよ」
絶対にというのだ。
「いいわね」
「そうするわね」
「じゃあそのアルバイト先にね」
「これからね」
「行って来てね」
こう言うのだった。
「いいわね」
「それじゃあね」
愛、従姉の彼女に笑顔で言った。そうしてだった。
彼女と別れて渋谷の店に行った、すると。
速水にだ、微笑んでこう言われた。
「いい経験を積まれましたね」
「そうですか?」
「はい、とても」
「それって」
「あっ、言われることはないです」
速水はそれはいいとした。
「別に」
「そうですか」
「はい」
そうだというのだ。
「お話されたくないなら」
「それならですか」
「そうです、ですから」
それでというのだ。
「特に、ですが」
「それでもですか」
「いい経験をです」
またこう言うのだった。
「積まれたことがです」
「わかりますか」
「左様です、そうした経験を積めば」
それならというのだ。
「きっとです」
「いいことになりますか」
「人生において」
まさにというのだ。
「そうなります」
「そうなんですね」
「いい経験も悪い経験もです」
その両方をいうのだ。
「積めば」
「いいですね」
「ですから」
それ故にというのだ。
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