第四十八話 見舞その十二
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「草薙さんらしいです」
「そうした考えか」
「人間は滅ぶべきじゃなくて」
「地球もな」
「このままあるべきです」
「嬢ちゃんはそう言うんだな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「人間も地球もです」
「どっちかじゃなくてな」
「どちらもあっていいです」
「そうか、それじゃあな」
「これからもですね」
「そうあっていこうな」
「そうですね」
草薙に微笑んで応えた。
「これからも」
「そうだな、あとな」
「あと?」
「実は幹部普通の軍隊で言うと士官の試験受けないかってな」
「言われてるんですね」
「俺もそろそろいい頃だってな」
その様にというのだ。
「上官が見舞いに来た時にな」
「言われたんですね」
「ああ、前から言われてたけれどな」
それでもというのだ。
「今回退院したらな」
「そうすればですね」
「受けてな」
そしてというのだ。
「幹部になればいいってな」
「言われてるんですね」
「俺だったら確実に合格するって言われた」
その試験にというのだ。
「そうだしな」
「それじゃあ」
「強く言われたしな」
「退院されたら」
「受けるな」
「そうされるんですね」
「そうしたら暫く東京ともお別れだ」
そうもなるというのだ。
「合格したら幹部になる学校に行くことになるんだ」
「その学校は東京にはないですか」
「久留米、九州の方にあるんだ」
そちらだというのだ。
「陸上自衛隊幹部候補生学校はな」
「じゃあ暫くは」
「そっちに行ってな」
そうしてというのだ。
「教育を受けるさ」
「そうなりますか」
「そう考えると尚更だな」
また笑って言うのだった。
「人間は滅んで欲しくないな」
「そうなりますね」
「俺は自衛隊が好きでな」
そうしてというのだ。
「それ以上にな」
「人間がお好きですか」
「この世界の全てがな」
「そうなんですね」
「ああ、だからもう戦わない」
護刃に顔を向けて話した。
「戦えないとも言うか」
「お怪我で、ですか」
「それでな、後は封真が何とかしてくれる」
残った彼がというのだ。
「きっと悪い様にはならないさ」
「そうですか」
「希望はあるさ、それで運命がどんなに悪いものだって言われてもな」
それでもというのだ。
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