第一章
[2]次話
シマリスのお礼
アメリカウィスコンシン州に住んでいるアダム=スコットは転勤で今の家に来た、するとすぐに気付いた。
「庭に栗鼠達がいるんだ」
「あら、そうなの」
妻のブレンダが応えた、茶色の長い髪の毛にグレーの目で彫のある顔の三十代の痩せた女性だ。スコットは一八五あり面長で短いブロンドの髪に小さな黒い目でありやや太っている。
「この辺り緑豊かだし」
「うちの庭の木にね」
「栗鼠がいるのね」
「シマリスだね、三匹いるよ」
夫は妻に話した。
「栗鼠だと問題ないし家族に迎えようか」
「ええ、それじゃあね」
「まずはご飯あげるよ」
こう言ってナッツをあげた、すると。
「キッ」
「キキッ」
「チッ」
三匹いて三匹共彼が置いたナッツを食べた、それがはじまりとなり。
スコットと妻は彼等にご飯をあげるのが日課になった、三匹共夫婦に懐き次第に距離が縮まり家の中にも出入りする様になり。
「おや、ご飯あげたら」
「掌に置いたのを食べる様になったわね」
「うん、しかもね」
夫はそうして食べる彼等を見つつ妻に話した。
「口の中に入れた木の葉を僕の掌に置いたけれど」
「お礼かしら」
「自分達のお家に入れるものをね」
「くれるのね」
「そうだね、大事なものをね」
自分達にとってというのだ。
「お家に必要な」
「それをくれるだけ感謝してくれているのね」
「そうみたいだね」
夫婦で笑顔で話した、この話をだ。
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