【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第7章】八神家が再び転居した年のあれこれ。
【第5節】キャラ設定7: メルドゥナ・シェンドリールとその家族。
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その頃には、マデッラ(50歳)も更年期障害のせいで『日常的な家事労働すらままならない』という状況に陥っていたため、孫の世話などできるはずもなく、メルドゥナ(25歳)は自分で自分の娘の世話をするため、87年の初頭からしばらくは休職せざるを得ませんでした。
なお、ガドレウスは愛妻ラゼルミアに先立たれて、彼女の個人財産を五人の子供たちに分割相続させた後、賢明にも翌79年のうちに(出来の悪い末子ヴァルジェロスがゴネて来ても大丈夫なように)自分の個人財産の相続に関する「詳細な遺言状」を書き残していました。
そのおかげで、メルドゥナは87年以降も、父ハウロンが無事に相続した「祖父母の家」にそのまま住み続けることができた訳ですが……。
その頃、首都圏では『地方から出稼ぎに来た「住み込みの使用人」が、当然の仕事をサボったり、その家のモノを盗んだりする』といった類の小さな事件が何度も繰り返し起きており、シェンドリール家としても、『ヴァニィの世話のために、赤の他人を家の中に住み込ませる』ことには、心理的に相当な抵抗感がありました。
ハウロンは慎重に「面接と不採用通知」を何度も繰り返した後、87年も5月になってから、ようやくロムグリス・ラカンダル(24歳。魔力の無い普通の人間)を「住み込みの使用人」として雇い入れます。
ゴツい体格と厳つい容貌とスキンヘッドのせいでしょうか。この若者にはいささか悪評がついて回っていたのですが、実際には「巷の評判」とは違って、ハウロンが見込んだとおりの、とても勤勉で誠実で温厚で多芸な人物だったため、「心に外傷を抱えた6歳児のお世話」と「家事労働全般」とを安心して任せることができました。
そのため、8月になると、メルドゥナもようやく彼を信頼して復職したのですが、執務官としてはまだ「実質」九か月ほどの実績しか無いので、ただ黙って待っているだけでは、なかなか仕事が回って来ません。
そこで、次の朝、〈本局〉の「運用部・差配課」へ直接に顔を出したところ、たまたまそこへ飛び込んで来たのが、ギンガとチンクからの〈管14シガルディス〉への「執務官派遣の緊急要請」でした。
その一件をその場で「即座に」引き受けたことによって、彼女はようやく現場に復帰することができた訳ですが……この〈ノグメリス事件〉に関しては、また「プロローグ 第8章」と「インタルード 第5章」で触れます。
そして、翌88年の2月には、メルドゥナは娘ヴァニィ(7歳)の「極めて強い要望」もあって、一歳年下のロムグリスと結婚し、すでに「法定絶縁制度」によって実母や弟妹(および継父)と縁を切っていたロムグリスをシェンドリール家に迎え入れ、後に1男と2女を産み足しました。
【メルドゥナの四人の実
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