【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第7章】八神家が再び転居した年のあれこれ。
【第5節】キャラ設定7: メルドゥナ・シェンドリールとその家族。
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さて、「魔力の強さ」はもちろんのこと、「リンカーコアの有無」それ自体も、実は、必ずしも遺伝するものではありません。つまり、両親がともに「魔力の持ち主」だからと言って、その子供も「当然に」そうなるとは限りません。
正確な統計はありませんが、「魔導師の子供が、また魔導師になれる確率」は、せいぜい五割程度でしょうか。
両親がともに魔導師であっても、この確率はさほど変わらないようです。
(古代ベルカの王族のように『特別な能力や資質が、血筋によって現実に「かなりの高い確率で」継承されてゆく一族』というのは、本当に特殊な存在なのです。)
それでもやはり、『同じ一族の中で、何世代にも亘って魔導師が現れ続ける』というのも、しばしば起きる現象です。
もちろん、それは『結果として、そうなる』場合もあるというだけの話で、ただ単に確率の問題であり、当然ながら「多産系の一族」ほど、そうなる確率は高くなります。
(いわゆる『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』というヤツです。)
さて、「背景設定2」の末尾でも述べたとおり、IRで終わる苗字は(古代ベルカでは)もっぱら職人階級の苗字であり、決して貴族階級の苗字ではあり得ません。
だから、「父系の祖先がベルカ系」であるシェンドリール家も、決して「特別な血筋の一族」という訳では無いのですが、それでも、旧暦の末からすでに四世代に亘って「それなり」に優秀な魔導師たちを世に送り出して来ました。
メルドゥナの父方の曽祖父であるグロムゼル・シェンドリール(前35年〜54年)も、突然変異にしてはなかなか優秀な空士だったそうですが、その末子ガドレウス(新暦2年〜86年)はさらに優秀な魔導師で、後に「それなり」の執務官となりました。
【ちなみに、彼の二人の兄は、残念ながら魔力を全く持っておらず、彼の姉もまた、『多少は念話が使える』という程度の、ごく微弱な魔力しか持っていませんでした。】
ガドレウスは、16歳で空士となって首都圏に配属された後、23歳で執務官になった次の年にはベルカ自治領出身の女性陸士ラゼルミア・ブラスケイド(20歳)と結婚し、その後も二十年あまりはそのまま首都圏で暮らし続けていたのですが……。
彼は、愛妻との間に3女と2男をもうけた後、47年の春には長子(第二子)ハウロン(15歳)の中等科卒業を機に、兄たちに代わって「年老いて介護の必要な身となってしまった両親」の世話をするために、妻子とともに(一家七人で)生まれ故郷のソルダミス地方に戻りました。
ガドレウスは両親の家の「すぐ近く」に自分の家を新築しましたが、彼自身はまだ「外回り」の執務官であり、いつも仕事で他の世界を飛び回っていたため、実際に彼の両親の世話をしたのは、主に妻のラゼルミアと長女のトゥネ
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