暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第7章】八神家が再び転居した年のあれこれ。
 【第4節】同85年の10月以降の出来事。
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任」を取らなければならないので、その「責任者」を特定するためにも、一般の車両においては(たとえ完全に「AI任せ」の自動運転になっていたとしても)必ず「誰か」が運転席に座っていなければならないのです。
(運営会社が責任を取るタクシーの(たぐい)ですら、運転席にはしばしば「会社を代表する存在」として機械人形(アンドロイド)が座っています。)】

 首都クラナガンから遠くベルカ自治領にまでつながる「中央幹線道」を真っ直ぐに100キロあまり北上し、左折して小麦畑の只中を行く道を20キロほど西進し、また左折して「私道も同然」の道路を600メートルほど南へ戻ると、そこが八神家の新居でした。
 敷地内はもちろんのこと、私道にも監視カメラや各種センサーが設置されており、セキュリティは万全。また、壁の内側には外からの目も届かないので、ヴィータとミカゲが少しぐらい暴れても全く大丈夫です。
(我ながら、ごっつい家を建ててしまったものやなあ。これなら、もう少しぐらい家族が増えても大丈夫やろ。)
 はやてはそんなことを思いましたが、実際にまた「家族」が増えるのは、これからさらに四年後のこととなります。


 そして、同11月の中旬には、バムスタール・ノグリザ元陸曹(戸籍上、43歳)が「全身外骨格」を着込んだ姿で、ゲンヤ・ナカジマ三佐(56歳)の住む官舎を訪れました。
 バムスタールは「ゼスト隊の生き残り」の中でも最後まで昏睡を続けていた人物です。この8月に(つまり、三か月ほど前に)18年ぶりで覚醒したものの、まだまだリハビリ中でした。
「全身外骨格」は、最近では車椅子の代わりにも用いられる、最新式の便利な医療器具です。外見的には、『細かく組み合わされたパイプの枠組みが、全身をぴっちりと覆っているだけ』ですが、出力レベルを調整すれば、ほんのわずかな筋力でも全身を軽々と動かすことができます。
(そのため、その用途はリハビリに限らず、自力ではもう歩けなくなった老人たちなどのためにも使用されています。)

 さて、平日なので、家にいるのは、ゲンヤとディエチだけです。
(事前に話を聞いたゲンヤは、彼と個人的に会うために、今日はわざわざ有給休暇を取ってくれていたのでした。)
 バムスタールは、新暦67年当時はまだ25歳で、クイント准尉の直属の部下でした。だから、ゲンヤとも決して「初対面」という訳ではありません。
 彼は、肉体的には今でもほぼ当時のままなのですが、リンカーコアが損壊(そんかい)していて、もう魔法は全く使えないので、先日、正式に退役して来たのだそうです。
 バムスタールはまずゲンヤに丁重な挨拶をして、ディエチが応接間の二人に茶を出して退室してから、『先日は、昔の上官であるクイント准尉の墓参りにエルセア地方まで行って来た』という話をしました。

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