暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第7章】八神家が再び転居した年のあれこれ。
 【第4節】同85年の10月以降の出来事。
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収したという、その大型駆動炉に関するデータを閲覧したい。
 あの一件における『プレシアの立ち位置』について調べ直すためにも、そのデータは必要なんだが、何故か『第一級の特秘事項』という扱いになっている。つまり、『将軍の階級が無ければ、閲覧すら許されない』ということだ」
「それで、僕の出番という訳か」
「うん。そして、もうひとつは、古代遺物管理部の『重要遺物保管庫』の過去データを洗い直したい。できれば、この僕が関与していることを、局の〈上層部〉には知られないような形で」

「そいつは、また穏やかな要求じゃないな」
「今年で〈ジュエルシード事件〉から20年。今さらだが、残された謎が解明できるかも知れない。つまり、幾つかのバラバラな『点』を、きちんと『線』で結べるかも知れないんだよ。
 プレシアは何故、アレクトロ社の無茶な要求にあそこまで付き合ったのか? また、何故〈ジュエルシード〉を使えば〈アルハザード〉へ行けると思ったのか? そして、一体何故、他でもない『あのポイント』から行けると思ったのか?
 さらに言えば、〈時の庭園〉は何故あれほどの高出力を出すことができたのか? 〈時の庭園〉の機関部は、プレシアとともに虚数空間に失われたと聞いたが、『本来の図面』を見る限り、あのサイズの機関部で『遠隔攻撃』ができるほどの出力を普通に出すことができたとは、とても考えられない」

【原作では、「次元跳躍攻撃」という用語が使われていましたが、その用語はあまりにも仰々(ぎょうぎょう)しいので、この作品では、単に「遠隔攻撃」と呼んでおくことにします。】

「実は、僕の方からも君にひとつ頼みがある。なのはやヴィヴィオたちには内緒で、ちょっと見てほしいモノがあるんだ。
 回収した〈ゆりかご〉の破片はどれも焼け焦げていて、復元は困難を極めたが、10年も経って、ようやくひとつ重要なモノを『かなりの精度で』復元することができた。こちらも局の〈上層部〉には知られないような形で『専門家』の意見を聞きたい」
「僕は必ずしも、その方面の専門家ではないのだが」
「取りあえずは口の堅い人物に、ということで、まずは君の意見を聞きたい。今はまだ、はやてが戻って来ていないからね」
「ところで、何故、〈上層部〉に知られたくないんだい?」
「それは、君と同じさ。10年前の時点で、あの三脳髄の傀儡(かいらい)が本当にイストラ・ペルゼスカ上級大将とレジアス・ゲイズ中将の二人だけだったとは考えにくい。
 何らかの形で奴等の精神を受け継いでいる者や、スカリエッティのような犯罪者らに情報を流し続けている者が、今も〈上層部〉の中に(ひそ)んでいる可能性は否定できない」
「それは同感だね。ところで、一体何を復元したんだい?」
「ゆりかごの〈玉座〉だよ」
「ああ……。だから、なのはとヴィ
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