暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第7章】八神家が再び転居した年のあれこれ。
 【第4節】同85年の10月以降の出来事。
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、一体何の用だい? と言うか、君は、体の方はもう大丈夫なのか?」
「ああ。おかげ様でね。実を言うと、先月にはカルナージで久しぶりに少し体を動かして来たんだが……やっぱり、脳も体の一部だから、たまには体も動かさないと、脳への血の巡りも悪くなるみたいだね。あれ以来、この一か月で、いろいろと考えが進んだよ」
「では、前置きはこれぐらいにして、そろそろ本題に入ってもらおうか」

「まず、ヴァルブロエム三姉妹と例の組織の来歴については、一昨年にも報告したとおりだ。覚えてるかい?」
「確か……〈永遠の夜明け〉は、あくまでも『人類の強制進化』を目指す集団で、古くは『薬物の利用』も視野に入れていた。かつて〈闇の賢者たち〉とつながりがあったのも、その時代の()()りだが、一方、あの三姉妹は何か全く別の目的意識を持って組織を利用していた。どうやら、ベルカ系の遺跡に強い関心があったらしい……という話だったな」
「うん。そして、今回は、遅ればせながら〈グランド・マスター〉についての話だ。周囲からそう呼ばれていた人物について、幾つか重大な事実が解った。まず、『プレシアの手記』に出て来る『あの人』というのは、おそらく〈グランド・マスター〉のことだ」
「なん……だと?(愕然)」
「次に、〈グランド・マスター〉の名前は、偽名かも知れないが、マルデルと言う。その名前からすると、おそらく、ベルカ系の女性だろう。そして、彼女の記録が完璧に抹消されている件に関しては、フランカルディ家が直接に関与している可能性が高い」

「フランカルディ家……。かつてのミッドチルダ総督家か!」
 それは、ミッドがまだベルカ聖王家の「直轄領」だった時代に、ミッドを事実上、統治していた一族です。当然ながら、今はもうかつてのような権力(ちから)は持っていませんが、それでも、ミッド中央政府にとっても管理局にとっても、今もなおあまり迂闊(うかつ)には触れることのできない「タブー的な存在」でした。
「いや、ちょっと待ってくれ。一昨年に聞いた話では『前後の文脈から考えて、「あの人」というのは、実際には「歴史上の偉人」などではなく、プレシアの親族か何かで、「プレシアが小児(こども)の頃、現実に会ったことのある人物」である可能性が高い』とかいう話じゃなかったか?」
「そうだよ。その可能性は今も高いままだ。つまり、プレシアとマルデルは、おそらく実際に血のつながった間柄で、また、二人ともフランカルディ家とは『何らかの重大な関連』を持っていた可能性が高い。極端な話、二人は総督家から分かれた、いずれかの『分家』の出身だったのかも」

「それから、実は、こちらが今日の本題なんだが……君に二つ、頼みがある。ひとつは、46年前、新暦39年にアレクトロ社が『大型駆動炉の暴走事故』を起こしたが、その際に管理局が押
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