【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第7章】八神家が再び転居した年のあれこれ。
【第4節】同85年の10月以降の出来事。
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また、10月になると、ミッド地上では「レジアス・ゲイズ中将の10回忌」が営まれました。
享年54歳。47歳の若さで中将に昇進して以来、突然の「病死」に至るまで、最後の7年半は、ミッド地上本部で「総指揮官」を務めたという大人物です。
明快な主張と抜群の行動力で、局内にも局外にも広く支持者がいる反面、実際の施策に関しては問題点も多く、生前から何かと毀誉褒貶の激しい人物でした。
しかし、最近では、また再評価の動きも高まっているようです。
【当然のことながら、「三脳髄」は存在していたこと自体が極秘情報なので、彼が中将に昇進して以来、その傀儡に成り下がっていたことも、一般には全く知られていないのです。】
なお、彼の一人娘オーリス(37歳)も、九年前、父親の1回忌の直後にラムロス家の末子と結婚し、新暦78年の春には30歳で1児の母となっていました。
その頃には、局の側からももういろいろと赦されており、彼女は同78年の秋には、産休明けのような形で「ミッド地上本部」に復職しました。
二年前には階級も上がり、それ以降は二等陸佐として「陸士統括局」に勤務し、首都圏のスラム問題や治安対策などに奔走しつつ、各陸士隊への適切な人材の配置などにも心を砕いており、地道ながらも、その働きぶりは高く評価されています。
少々キツい性格は相変わらずでしたが、彼女自身は(配偶者からの愛情にも恵まれており)もう決して父親のように道を踏み外すことは無いでしょう。
一方、同日にまた別の場所では、「イストラ・ペルゼスカ上級大将(享年65歳)の10回忌」も営まれました。
祭主を務める長子ザドヴァン(50歳)は、今では管理局〈上層部〉の法務部長官で、少将待遇です。彼の長女マギエスラ艦長(25歳)も、すでに婿を取って83年の夏には23歳で1女の母となっていました。
彼女も、かつては「祖父への評価」を巡って父親と対立していましたが、今ではもう、すべては自分の側の誤解だったのだと理解しています。
彼女はこの席で、クロノ少将(34歳)には正式に10年前の非礼を詫びました。彼女の立場からすれば、はやての不在が惜しまれるところでしたが、またいずれ直接に会って話をする機会もあるでしょう。
クロノからも『またいずれ、正式に御紹介しましょう』と言われ、マギエスラは気長にその機会を待つことにしました。
また、同10月の上旬には、IMCSの第33回大会の都市本戦がありました。
アンナ(16歳)は昨年に続く二回目の都市本戦進出で、準々決勝では惜しくも敗退しましたが、最終的に5位に入賞しました。
一方、期待の新人ヴァスラ・クランゼ選手(12歳)は
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