暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第7章】八神家が再び転居した年のあれこれ。
 【第3節】ユーノ司書長まで参加した合同訓練。(後編)
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体のせいなんだろうと思うわ。あの疫病も、どうやら、当初は人間だけではなく、大半の大型動物にとって致命的なモノだったらしいの」
 ファビア「今も大陸の方で進められている発掘調査によれば、この世界にも、ほんの三千年ほど前までは、さまざまな大型動物が普通に生息していたらしいのですが……病原体の『突然変異』と言うか、『強毒化』の結果、陸上の大型動物はあらかた絶滅してしまったのだそうです。
 この世界は、季節の変化に乏しいので、その当時から、鳥も『渡り』をせず、獣もあまり遠距離の季節移動をしていなかったのでしょう。季節に関係なく、(えさ)はおおむね同じような場所にある訳ですから。
 そうした状況下で(こま)かな『()み分け』を続けていけば、当然に個々の生物種の分布する範囲は、相対的に狭いものとなります。だからこそ、一度その生物種に感染してしまえば、種内の感染拡大は速く、それだけ絶滅もしやすかったのでしょう。
 まあ、以上の話は、あくまでも推測でしかないのですが……実際のところ、現在のカルナージでは、人間を除くと、山猫が『最大の陸上動物』なのだそうです」

 キャロ「そっか〜。『常春(とこはる)の国』って言うと、聞こえは良いけど、決して良いことばかりじゃないんだね」
 ルーテシア「そうね。実は、はっきりとした季節変化がある世界の方が、大半の生き物にとって()みやすい世界なんだろうと思うわ」
 フェイト「三千年ほど前って言うと、ちょうど〈大断絶〉の頃かしら?」
 なのは「もしかして、それ以前は、カルナージも有人の世界だった、とか?」
 ルーテシア「病原体の強毒化も、正確な年代の特定はまだできていないようなのですが、いずれにせよ、今のところ、それ以前の大昔の地層からも、人骨や人間が暮らしていた痕跡(こんせき)などはまだ全く発見されていません」
 ファビア「もちろん、『証拠の不在』は必ずしも『不在の証明』にはなりませんが、やはり、カルナージは過去においても、ずっと無人の世界だったのではないでしょうか。以前は、『ミッドにおける〈最初の人々〉が(もと)いた世界は、カルナージだったのではないか?』などと主張する人も一部にいたそうですが、実際には、その可能性はかなりゼロに近いのだろうと思います」


 また、夕食後の休憩時間に、なのはとフェイトとユーノは星空の見えるテラスに出て、久しぶりに三人で「昔の話」をしていましたが、その話が一段落したところへ、ファビアがふらりとやって来ました。
 彼女は午後の(二回目の)陸戦試合で、ユーノとともに赤組の後衛を務めたのですが、少しばかりその「反省会」がしたかったようです。
 そして、その話も一段落すると、今度はアインハルトがやって来ました。彼女も、一回目の陸戦試合について、ちょっとユーノに訊きたいこと
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