暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第7章】八神家が再び転居した年のあれこれ。
 【第1節】新暦85年、8月までの出来事。
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難船」と呼ぶことにしましょう』

 そうした説明が一段落すると、ユーノはとても基本的なことを尋ねました。
「なるほどね。それで、具体的な話、その避難船はどのあたりで発掘されたんだい? あの遺跡の周囲には、特にそれっぽいモノは何も無かったと思うんだが」
「それが、あの遺跡からも、さほど遠い場所ではなかったんですよ。あそこから小高い丘をひとつ越えた北側で……その丘をぐるりと迂回して歩いても、せいぜい20キロあまりといったところでしょうか。その丘を踏み越えて行けばほんの10キロ足らず。徒歩でも普通に日帰りできる程度の距離です」
「ちょっと待ってくれ、ダールヴ。それなら、一体どうして、その避難船は今まで20年もの間、発見されずにいたんだ?」
「それなんですけどね。実は、つい最近まで、その船の駆動炉が生きていたらしくて……その駆動炉に直結された形で、何らかの『遮蔽(しゃへい)装置』が働いていた可能性が高い、とかいった話なんです」
「七百年以上もの間、その装置がずっと稼働し続けていたと言うのか?!」
「まったく、信じがたい話ですけれどね」

「その言い方は……もしかして、確認は取れていないのか?」
 ユーノの口調は決して叱責めいたものではありませんでしたが、それでも、ダールヴはいかにも申し訳なさそうな口調でこう答えました。
「それが、船内の『機関部に続く通路』も厳重に封鎖されていまして。船体そのものがもう老朽化しすぎていて崩壊の危険性があるので、外部から無理に穴など()けて機関部に突入することも難しい、という状態らしいんですよ」
 ユーノがそれを聞いて思わず溜め息をつくと、ダールヴもまた肩をすくめ、続けて以下のような内容を語りました。
(前半は、ユーノもよく知っている話です。)

『管理局が最初にドルバザウムを「発見」したのは新暦12年のことですが、軌道上から一見して、すぐに「無人の世界」だと分かったため、そのまま放置されてしまい、本格的な調査が入ったのは、それから丸々半世紀も経ってからのことでした。
 新暦40年代の後半以降、管理局はようやく、犯罪者らが違法に住み着くことなどを未然に防ぐため、すべての無人世界を順番に詳しく再調査していきましたが、その流れで、62年にはドルバザウムもようやく軌道上から全表面を詳しくスキャンされ、その際にあの遺跡も発見された、という訳です。
 それからすぐに、スクライア一族にも現地調査の依頼を出しましたが、順番は「何故か」後回しにされてしまい、「当時の長老」ハドロに率いられた支族が実際にあの世界を訪れたのは、65年になってからのことでした。
 今からちょうど20年前のことです。
 管理局の調査隊も、62年には上陸こそしませんでしたが、かなり精密なスキャンをしていましたからね。その時点で、もしも「
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