第四十九話 悪魔が教えることその六
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「人間に純粋な悪意あって悪事ばかりするか」
「ちょっとちゃうな」
「自分達の目的の為に動いていて」
「人に悪いことするとは限らん」
「そうなのよね」
「混沌ではあっても」
それでもいうのだ。
「悪かっていうとな」
「混沌も悪か？」
施はそこに疑問を呈した。
「そら秩序を重んじるのが政で文明やけどな」
「そこで何もせんとな」
「混沌としてその中で何かしてるだけやとな」
「別にええな」
「それだけやとね」
「そうやしな」
こう羅とメルヴィル、トウェインとアレンカールに述べた。
「逆に秩序でも悪事を為したらな」
「悪やな」
「エゴや楽しみで人を踏み躙ったら」
「そうしたらな」
「それで悪よね」
「そやな、結局行いやな」
善悪が決まる根拠はというのだ。
「それ次第やな」
「剣道してても自分が嫌いな奴攻撃させる為にそいつと仲悪い奴に色々吹き込んでる奴おったけどな」
中里はかつて自分が見た輩の話をした。
「もうな」
「嫌われたな」
「そんな奴な」
「何か中等部までおったな」
「剣道部にな」
「そや、誰やったか」
中里はアレンカール以外の六将星の者達に応えて述べた。
「名前忘れたけどな」
「物凄い性格悪かったな」
「それで有名やったな」
「底意地悪くて図々しくてケチでな」
「弱い者いじめ大好きで」
「ほんまの屑やった、それで嫌われたが」
その性格故にというのだ。
「こいつが善かっていうとな」
「ちゃうな」
「日頃の行いが悪過ぎるわ」
「ほんまの屑やった」
「悪人そのものやった」
「今は県内一のドキュン高校におるが」
それでもというのだ。
「こいつがどんな種族でもな」
「悪やな」
「紛れもなく」
「そう言うしかないな」
「そんな奴やったな」
「そや、こんな奴もおるんや」
実際にというのだ。
「ほんま種族で正義か悪かは決まらん」
「行いやな」
「それ次第やな」
「それで決まるな」
「正義か悪かは」
「そや、ただ時代と場所によっても変わるしな」
善悪についてだ、芥川はこうも言った。そのうえで首を傾げさせながらどうにもという顔で言うのだった。
「ある程度はな」
「ぶれるな」
「絶対やないな」
「吐き気を催す邪悪でもないと」
「断言しにくいな」
「そや、そうしたことも頭に入れて」
そのうえでというのだ。
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