第五十一章
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そして闘いが終わると音也は。紅に顔を向けて告げてきた。
「では渡」
「父さん・・・・・・」
「俺はまた去る」
その姿が次第に透けてきていた。消えようとしているのがわかる。
「闘いが終わったからな」
「有り難う、助けてくれて」
「しかしだ。何度も言うが俺は御前を見守っている」
このことを彼にまた言ってきた。
「いつもな。それは覚えておけ」
「うん。それはわかっているよ」
かつての闘いの時に助けられたことを。彼ははっきりと覚えていたのだ。
「よくね」
「そういうことだ。それではまたな」
「うん、また」
「会おう。機会があればな」
こう言い残しそのうえで姿を消すのだった。二世は鎧が消えるとそのまま周囲を飛んでいた。紅も変身を解きキバットと二世が彼の周りを飛びながら声をかけてきた。
「じゃあ渡よ」
「闘いは終わりましたし」
「うん、帰ろう」
紅も彼等の言葉に頷く。
「この城での闘いは終わったから」
「そうだ、だからな」
「これで帰りましょう。皆も待ってますよ」
「それじゃあ」
彼は何処か肩を落とし主の間を後にした。そうして仲間達と合流しそのうえでデンライナーに戻った。しかし彼の顔はその中でも浮かないままであった。
「おいおいワタリドリだったか?」
祝勝の宴の中でモモタロスがジュースを片手に上機嫌で一人俯いて席に座る紅に対して声をかけるのだった。
「何そんなに落ち込んでるんだよ」
「いえ、別に」
「渡、折角勝ったんやぞ」
「そうだ。今は楽しみなさい」
襟立と名護は頭に三角の仮装用の帽子を被ってもう祝っていた。他の面々もかなり上機嫌で騒いでいる。紅だけが俯いているのだ。
「お好み焼きどんどん焼いてるさかいな」
「他の御馳走も一杯ある。だからな」
「何かあったんですか?」
良太郎がそんな彼を見つつ声をかけるのだった。
「闘いが終わってからずっとそんな調子ですけれど」
「ううん、別に」
一応こうは言う。
「何もないよ」
「何もなくてそんなふうにならないし」
「その通りだ」
恵も登も言う。
「絶対に何かあったと思うわ」
「それは何かだな、問題は」
「スサノオに何か言われたか」
桜井はその鋭い洞察力を発揮して察した。
「それでか」
「それは」
「ああ、そんなの気にしたら駄目だって」
「その通りや」
リュウタロスとキンタロスが彼に言ってきた。当然ながら彼等も上機嫌に騒いでいる。ナオミの入れたコーヒーも当然ながら飲んでいる。
「スサノオはしょっちゅう変なこと言うんだから」
「全然気にすることあらへん」
「そうなのかな」
「そうそう。そんなことより今は」
ウラタロスはわざと軽い調子で彼を慰めにかかった。
「騒ごうよ。楽しくね」
「祝勝の宴
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