第五十章
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続いて紅だった。彼はそのまま両手に持った剣を構え。そのうえでダッシュで前に出る。
「よし、それだ!」
「これなら!」
またキバットとタツロットが紅に対して言う。
「いけるぜ、スサノオでもな!」
「やれますよ!」
「やるんだ」
紅はその渾身の突撃の中で言葉を出す。
「この一撃で。終わらせるんだ」
「そうだ。この闘いをな!」
「終わらせましょう!」
「うおおおおおおおおおおーーーーーーーーーっ!!」
紅は叫んでいた。そして音也も。紅は正面から突撃し音也は右足からの蹴りを繰り出しながら急降下を浴びせる。二人の攻撃は重なっていた。
まずは音也の攻撃が炸裂した。スサノオの足元にあの巨大な紋章が浮かび上がる。そして続いて紅の剣がスサノオの胸を貫いた。続いてその背に紋章が浮かび上がった。
「よし、決まった!」
「これで!」
キバットとタツロットが会心の声をあげた。
「渡、遂にやったな!」
「流石にこれだとスサノオも!」
「うん、やった」
そして紅も確かな感触を感じていた。
「これで。やっと」
「俺もだ」
音也も蹴りを入れた体勢のままで言うのだった。
「この一撃。確かにな」
「これで倒れない筈がない」
二世もまた同じだった。
「終わった。完全にな」
「ふむ」
しかしだった。ここでスサノオは声をあげるのだった。
「これが君達の最後の一撃か」
「何っ、まだ」
「生きているのか!?」
紅も音也も今のスサノオの言葉には驚きを隠せない。一旦離れて横に並ぶ。そのうえでスサノオに対して身構えようとする。
しかしだった。スサノオはその彼等に対して言ってきた。
「安心するのだ。私はもう闘うことはない」
「えっ、じゃあどうして声を」
「どういうことだ?」
「声は出せる。しかしもう闘うだけの力はない」
そうだというのだ。
「君達の勝利だ。私は間も無くここでは倒れる」
「そうか。俺達の勝利だな」
「間違いなく」
「確かに君達は勝った」
スサノオもそれは認めた。
「しかしだ。君達と私の闘いはこれで終わりではない」
「今更何を言ってるんだ、こいつは」
しかしキバットがスサノオの今の言葉に突っ込みを入れた。
「そんなのもうわかってることだろうがよ」
「そうだね。僕達と貴方との闘いは」
「その中で君達は見ることになる」
だがそれでもスサノオは彼らに対して言うのだった。
「人間というものをな。よくな」
「人間!?そんなものは飽きる程見てきたがな」
音也は今の彼の言葉に大袈裟に右手を振ってみせて返した。
「何度もな。御前よりもかも知れないぞ」
「まだ見ることになる」
しかしスサノオはこう返すのだった。
「その醜い部分もな。それを見てまだ闘えるかね?」
「醜い
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