第百二話
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第百二話 夜は寝る
十二時前になるとだ、博士は小田切君に言った。
「ではもうな」
「お休みですね」
「そうする、それで君はどうするのじゃ」
「僕も同じですよ」
小田切君は何でもないといった声で答えた。
「もうです」
「寝るか」
「そうします」
「今日は部屋には帰らんか」
「ここも快適なんで」
だからだというのだ。
「よくお泊りしてますし」
「今夜もそうするか」
「それで朝ご飯作りますんで」
「明日の朝はあっさりでよいぞ」
博士はこう注文した。
「フレークに牛乳をかけてな」
「それでいいですか」
「あれも結構じゃ」
このメニューもというのだ。
「いけるし栄養バランスもな」
「ありますね」
「だからな」
それでというのだ。
「明日の朝はな」
「フレークにですね」
「冷たい牛乳をかけてな」
そのうえでというのだ。
「食うぞ」
「じゃあ僕もそれでいきます」
「ビタミンが多くてな」
フレークにはというのだ。
「しかも牛乳もとなるとな」
「カルシウムに蛋白質ですね」
「朝の栄養は充分じゃ」
「だからいいですね」
「しかも君は今かなり飲んでおるな」
小田切君の顔を見て言った。
「さっきまでかなり飲んでおったか」
「論文を読みながらワインとチーズを」
小田切君は正直に答えた。
「あとサラミとクラッカーで」
「二本は空けたか」
「実は」
「では君も朝はな」
「フレークと牛乳ですか」
「この組み合わせは二日酔いにもいいからな」
「栄養補給に水分も補給出来るんで」
「だからそれにしようぞ」
朝食のことを話してだった。
博士はこの日は寝た、そして翌朝朝風呂で二日酔いを解消した小田切君がさっと作ったフレークに牛乳をかけたものを彼と一緒に食べたのだった。
第百二話 完
2023・9・29
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