第七百二十九話 カバは狂暴その十一
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「私としては」
「いいか」
「そう思いますが」
「だからそれは国によってだ」
「違いますか」
「何しろオックスフォード大学のキャンバスに桜がないと言ってだ」
連合軍の中にいた日本人達がというのだ。
「残念がったそうだしな」
「オックスフォードに桜ですか」
「それがないとな」
「なくて当然では」
上等兵は真顔で述べた。
「それは」
「連合の他の国もそうだが」
「それでもですか」
「まだ連合は桜がそれなりにあるという」
「各国のあらゆる場所に」
「日本人が好きでだ」
まずこのことがあってというのだ。
「そして日本は連合各国に強い影響寮力を持っている」
「伊達に連合第三位の国ではないですね」
「経済力、政治力だけでなくな」
「文化でもですね」
「大きな影響力を持っていてな」
「桜もですね」
「花を愛でるのも文化でだ」
その一環でというのだ。
「そしてだ」
「その文化をですね」
「連合中に広めていてな」
「桜を愛するそれも」
「それでだ」
その為にというのだ。
「連合全体で桜が多い」
「日本だけでなく」
「そして普通にだ」
日本の影響を受けておらずともというのだ。
「桜の花は奇麗だからな」
「それで、ですね」
「連合では多い、だがエウロパで人気がある花は色々あるが」
それでもとだ、大尉は話した。
「第一は薔薇だな」
「花の中の花ですね」
上等兵はこう応えた。
「何といいましても」
「そうだな」
「はい、薔薇はです」
大尉はさらに言った。
「何といいましても」
「花の王と言ってもいいな」
「事実連合でもよく見ますね」
「薔薇は奇麗なだけでなくだ」
それに加えてというのだ。
「香りもだ」
「素晴らしいですうね」
「そうした花だからな」
それでというのだ。
「エウロパでは花の王でだ」
「連合でも多いですね」
「もっと言えばサハラやマウリアでもな」
こうした地域それに国家でもというのだ。
「薔薇は愛されている、しかし特に薔薇を愛するのは」
「エウロパですね」
即ち自分達の国だとだ、上等兵も言った。ただし連合にいることを自覚していてそれで自分達の国とは言わなかった。
「やはり」
「それで動物園等に行ってもな」
連合軍の中にいる日本人達がというのだ。
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