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八条学園騒動記
第七百二十九話 カバは狂暴その七

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「合わないですが」
「私もそう思う」
 大尉も否定しなかった。
「サバンナに桜はな」
「合わないですね」
「しかし日本人はな」
「桜が好きなので」
「他の国の人間が合わないと思う様な場所でもだ」
 それでもというのだ。
「桜の木を植えてだ」
「春になるとその花を楽しむのですね」
「だから他の国に木を贈るとなるとな」
 その時はというと。
「桜はどうかとだ」
「申し出るのですね」
「それでエウロパの動物園に来た時だが」
 連合軍の中にいる日本人達がだ、エウロパ戦役の時に連合軍の将兵達はエウロパの様々な場所を巡ったのだ。
 それでだ、その中に動物園にも行って連合軍の中に日本人の将兵達もいたのだ。
「桜の木がなくてだ」
「不満を言ったのですね」
「そうした話もある」
「彼等にとっては動物園でも桜の木はあるものですね」
「そうした人s気だからな」  
 それ故にというのだ。
「不平を言ったのだ」
「しかし日本以外の国では」
「桜はな」
「そこまで思い入れがないですね」
「奇麗な花だが」
 このことは事実だがというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「日本人程ではない」
「左様ですね」
「あくまで日本人だけだ、どうもだ」
 大尉はシマウマ達を観つつ言った。
「シマウマ達の周りに桜吹雪なぞだ」
「ミスマッチですね」
「その極みだな」
「左様ですね」
「だが日本人は違うということだ」
「要するに」
「そこまで桜が好きということだ」
 サバンナの生きもの達の周りに植えるまでというのだ。
「そういうことだ」
「日本人は何かと独特ですが」  
 連合の中でもというのだ、事実日本という国は連合の中でも極めて独特の個性を持つ国として知られている。
「桜好きもですね」
「全くだな、色々な花を愛でる国だが」
「とりわけですね」
「桜が好きということだ」
「そういうことですね」
「そのこともわかることか。だが」
 大尉は顔を曇らせて上等兵に話した。
「日本人の考えはわかりにくいな」
「独特過ぎるので」
「非常にな」
 こう言うのだった。
「わかりにくい」
「全く以て」
「しかしな」
「その日本もですね」
「あらゆるものを学んでだ」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「よく知ることですね」
「そうすることこそな」
「我々にとってはですね」
「大事なのだ」
「そうなりますね」
「我々はな」
 エウロパの工作員だからだというのだ。
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