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ハッピークローバー
第百八話 乱痴気騒ぎはその十七
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「歌うわ」
「ユーミンですか」
「ユーミン好きだから」
 それでとだ、理虹に笑って応えた。
「歌うわね」
「じゃあ宜しくお願いします」
「それじゃあね」
 店長は実際にユーミンの曲を歌いはじめた、そのまま二曲歌うと時間になったのでこれでお開きとなったが。
 店長はかなり飲んで足をふらつかせている五人にだ、自分もかなり酔っているが確かな足取りで話した。
「じゃあこれでね」
「今日は有り難うございました」
「結局お酒代まで出してもらって」
「色々お話してもらって」
「本当に有り難うございます」
「楽しかったです」
「こっちもね、じゃあお話したこと覚えておいてね」
 五人に真っ赤な顔を笑みにさせて話した。
「よかったら」
「そうさせてもらいます」
「色々教えてもらいましたし」
「私達のこれからの為にも」
「幸せな人生を送る為にも」
「そうさせてもらいます」
「それじゃあね、お家に帰るから」
 店長はこう言って店を出た、五人も自分達の家がある団地に帰ったがかな恵は成海が来て言ってきた。
「呼んだか?」
「いや、呼んでないけれど」
 かな恵はその成海にきょとんとした顔で言葉を返した。
「別にね」
「呼ばれた気がしたんだよ」
「メールもラインもしてないのに?」
「ああ、それでこっち来たらな」
 そのかな恵を見て言うのだった。
「酔ってるな」
「飲んで歌ってね」
「来てよかったよ、じゃあな」
「送ってくれるの」
「自転車で来たからな」
 それでというのだ。
「乗れよ、ただ酔ってるからな」
「それでなの」
「後ろに乗ってもしっかりとな」
 泥酔と言っていいかな恵を見て言うのだった。
「掴まってろよ」
「それじゃあね」
「ああ、帰ろうな」
「これって直感よね」
「そうよね」
 富美子と留奈は成海を見て話した。
「かな恵が酔っててふらふらしてるから」
「それで来たけれど」
「もうそれを直感で感じて」
「呼ばれたと思って来たのね」
「本当にさっき呼ばれたって思ったんだよ」
 成海は富美子と留奈にも話した。
「それでだよ」
「来たのね」
「殆ど野生の生きものね」
 一華と理虹もその直感には目をやや見開いた。
「かな恵のことを思って」
「それで呼ばれもしないで来たって」
「相当ね」
「本当に野生の生きものみたいね」
「いや、成海っちがいてくれて」
 かな恵本人も言った。
「助かったわ、それじゃあ」
「送るな」
「有り難うね、成海っちが来てくれてね」
 かな恵は微笑んで彼に言った。
「それでいてくれてね」
「どうなんだよ」
「私幸せよ」
「放っておけるか、ずっと一緒にいるんだからな」
 成海はそれは当然といった顔で応えた。
「だからな」

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