第百八話 乱痴気騒ぎはその十五
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「南港に行った奴見てね」
「そうしてですね」
「そうよ、行ったんじゃなくて逝ったと思うけれど」
ここはやや冗談を入れて話した。
「そうなった奴を見てね」
「それで、ですね」
「思ったわ、ちゃんとしてこそ」
「幸せになれますね」
「人間性もね」
これもというのだ。
「性格が悪過ぎると」
「幸せになれない」
「そうよ、まあまともな人程」
俗にそう言われる人程というのだ。
「幸せになれるわね、小市民って言葉あるけれど」
「小市民ならですか」
「かえってね」
「幸せになれますか」
「そうだと思うわ」
「平凡でもですね」
「それでもよ」
そう呼ばれる人でもというのだ。
「幸せになれるというか」
「そう呼ばれる人こそですか」
「幸せなのよ」
「そうなんですね」
「まあその人それぞれの悩みとかあるけれどね」
「何かとですね」
「家庭がどうとかお仕事がどうとか」
店長は具体的な例を挙げていった。
「健康がどうとか。けれど全体としてね」
「幸せかどうか」
「そうよ、あと立場とかお金があってもって言ったけれど」
「そうした人達が実は不幸だとか」
「そうとも限らないのよ」
そうしたものだというのだ。
「その人が幸せって感じていたら」
「幸せなんですね」
「そうよ、プロ野球選手でも名球会に入られなくても」
「満足して引退出来たら」
「幸せよ」
そうだというのだ。
「あと少しだったのにって周りが思っても」
「その人が満足していたら」
「幸せよ」
「そうなるんですね」
「二百勝二千本安打ね」
店長は名球会に入る条件を話した。
「二百五十セーブで」
「相当ですけれどね」
留奈も言った。
「なれたら」
「阪神でもそういないしね」
「名球会入られた人って」
「田淵さんも掛布さんも岡田さんもね」
こういったスター選手達もというのだ、尚田淵が名球会に入っていないことを知らない人はわりかし多いらしい。
「入っていないしね」
「そうした人達も」
「それであと少しで引退した人も」
「いますね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「ご本人が満足していたらね」
「それで幸せですね」
「そうだと思うわ、どんな立場でも不平不満と文句ばかりなら」
「幸せである筈がないですね」
「そうよ、幸せはささやかなものである可能性も高くて」
そしてというのだ。
「その人それぞれがね」
「そう思えばよくて」
「自分だけじゃなくてね」
「周りもですね」
「幸せだったらいいのよ、毎日ご馳走食べて乱痴気騒ぎしても」
それでもというのだ。
「幸せとは限らないのよ」
「その人それぞれですね」
「私は今で十分幸せよ」
店長は真っ赤な顔で話した、酒は相当
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