聖夜編 悪魔の影と騎士の絵本 後編
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。ヘレンからの贈り物だと察していた彼女は、少しでも「姉代わり」になるものを近くで感じていたかったのかも知れない。
「……そうね、そうしましょう。せっかくのクリスマスプレゼントなんだから」
そんな愛娘の胸中を悟っていたビリーの妻は、モリーの小さな身体を抱き寄せながらゆっくりと絵本を開く。そこに描かれていたのは――友との悲しい別れを経験しながらも、その友の願いを叶えようとする勇敢な騎士達の御伽話だった。
◆
むかしむかし、とおいくに。そこには、くにをまもるゆうかんなきしたちがいました。
あるとき、ひとりのきしがいいました。「ぼくは、このくにをまもれるつよいちからがほしい」。けれどそれは、とてもおそろしいのろいのちからのことだったのです。
ほかのきしたちはもちろんだいはんたい。それでも、そのきしはちからをもとめてたびだってしまいました。
そして、そのきしは、おそろしいすがたのひとくいおにになってかえってきたのです。きしは、なかまたちのこともわからなくなっていました。
なかまたちはおどろき、かなしみ、おにになったきしをやっつけてしまいます。
くにをまもれるつよいちから。それをほんとうにもっていたのは、のろいになんかたよらない、このくにのきしたちだったのです――。
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