暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第183話:地に輝く星座を巡って
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全に乗っ取られてしまったレンは文字通り人が変わり、ファントムとしての欲望……即ち清らかな人間の心を破壊する事に快楽を求める異常者となった。

 辛くもファントムと化したレンを追い払ったサンジェルマンは、その後風の噂で彼がワイズマンにより封印されたと言う事を耳にした。嘗ての同志が怪物に身を堕とし、怪物として封印されてしまった事に心を痛めはしたがそれも過去の話である。

「何をしに来た……は、もう今更な質問ね」
「そうだとも。今日こそは君のその清らかな心、壊してあげようッ!」

 レンはレギオンファントムとしての姿となり、サンジェルマンに襲い掛かる。対するサンジェルマンも、素早くスペルキャスターを取り出しファウストローブを纏うと振り下ろされたハルメギドを変形させ剣にしたスペルキャスターで受け止めた。

「お前如きに邪魔はさせないッ!」
「エキサイティングッ! そうだ、それでこそだッ! 己の命を犠牲にしてでもこれまで犠牲にしてきた命に報いようとするその姿ッ! 実に美しいッ!」

 激しく戦い始めるサンジェルマンとレギオンファントム。サンジェルマンは剣戟でレギオンファントムの動きを封じると、一瞬の隙を突いて後方に跳躍しつつ肘の銃口からの連続射撃でそのまま相手を釘付けにし、その隙にスペルキャスターを銃に変形させると引き金を引き青い炎の龍の様な攻撃を放つ。迫る炎の龍を前に、レギオンファントムはハルメギドを一閃。発生した赤い亀裂により、サンジェルマンの一撃は容易く防がれてしまった。

 儀式そっちのけで戦うサンジェルマンを前に、ティキは人形であるにもかかわらず心底うんざりした様子で頬を膨らませた。

「え〜、もう、どうするのよこれ。これじゃ計画が進まないじゃんッ!」

 ティキが文句を口にすると、直後直ぐ近くで電話が着信を知らせるベルが鳴り響く。音のする方をティキが見ると、何故かそこにはアンティークなダイヤル式の電話が地面に鎮座している。
 それがアダムからの連絡であると気付いたティキは、先程までの不満など何処へ行ったのかと言う様子で受話器を手に取り状況を話した。

「アダム、大変なのよッ! 例の化け物がまた出てきて、サンジェルマンの儀式の邪魔してるのッ!」
『いけないね、それは。ここで彼女に傷付かれては困る。今からそっちに行くよ、仕方ないからね』

 そう言って通話を切るアダム。ティキが通話の切れた受話器を置くと、その直後にサンジェルマンと戦っていたレギオンファントムに高速回転する白い帽子が直撃した。

「ぐぉっ!? ぬぅッ!」
「これはッ!」

 突然の横槍にサンジェルマンとレギオンファントムが揃って帽子が飛んでいく方を見ると、そこでは空中に佇む白いスーツ姿のアダムが飛んできた帽子をキャッチしていた。


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