暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第183話:地に輝く星座を巡って
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来た弦十郎と、エルフナインと共に食事の為食堂にやって来たキャロルである。

「ん?」
「どうした? 風鳴 弦十郎?」
「あ……あぁ、いや。何でもない」

 弦十郎は颯人が持っている懐中時計を見ても、僅かに違和感を感じた程度でそこまで深くは考えなかった。だが別の角度から見ていたキャロルは話が別だった。

「あれ?」
「どうしたの、キャロル?」
「あの人……颯人が持ってる時計、何処かで……」

 キャロルの言葉にエルフナインも颯人が揺らしている懐中時計を凝視する。なかなかに凝ったデザインの懐中時計だ。デジタル時計やスマートウォッチ全盛のこの時代に、あんなアナログな懐中時計自体珍しいのにあそこまで凝ったデザインとなると相当な根が張りそうだ。だが問題はそこではなく、エルフナインもまた颯人が持っている時計に既視感を感じていた。

――何だろう? あの時計、何処かで……?――

 違和感の正体を突き止めようとエルフナインが更に近付いて懐中時計を見ようとした矢先、颯人はそれを懐に仕舞ってしまった。それを残念に思う間もなく彼らの話は進んだ。

「つまり、アダムって奴はこのまま行くとサンジェルマンさんを生贄にして計画を最終段階に進めるって事になるのか?」
「恐らく……と言うか、確実にそうなるワケダ。あの男は私やカリオストロの命も計画の礎の勘定に入っていると言った。まず間違いなく、サンジェルマンの命も犠牲にする筈」
「だからこそ、一刻の猶予も無いわ。多分もう、サンジェルマンは最後の儀式の為に動いている」

 2人の話に、颯人は顎先を指で撫でた。状況は一刻を争う。悠長にしている場合ではないが、焦ってミスをしては本末転倒だ。現場では恐らくアダムによる妨害か、説得が失敗した場合のサンジェルマンとの戦闘、そしてジェネシスかレギオンファントムの乱入による戦闘が予想される。

「おっちゃん、今すぐ動ける装者って奏とマリア以外だと誰か居る?」
「了子君の報告だと、響君と切歌君、クリス君のギアの反動汚染の除去が間も無く完了するとの事だ。今すぐ、とは言わないが、それでも次の戦闘にはギリギリで間に合うだろう」
「つー事は、こっちの戦力は俺達魔法使い3人に装者が5人、んでカリオストロとプレラーティを含んだ計10人か。うん、何とかなるか」

 無論、それは机上の空論に近い。アダムの戦闘力は未知数だし、ジェネシスがどれ程の戦力を投入してくるかも分からない。尤もジェネシスに関してはそもそも介入してくるのかという疑問もあるが、これまでの事件ではここぞと言う大きな戦いにはほぼ必ずと言って良い位奴らは乱入してきた。まるで場を引っ掻き回す様な動きだが、だからこそ今回も何か仕掛けてくるだろうと言う確信があった。
 敵戦力には未知数な部分が多いが、それでもこち
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