暁 〜小説投稿サイト〜
人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
76話 Break the Seal 我の中に眠るモノ
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「はぁ………本音かぁ????」


渡辺曜は下手である。

千歌との因縁を追いかけるというのはまるで無限に続くプールコースを泳ぎながら、それを捕まえに行くというもの????


もう少し……しかしそのチャンスは逃してしまう。そして距離を離される。それの繰り返し。

その隣には梨子が泳いでいる。

彼女は自分のペースで泳いでこそいるが、迫って来れば意識せざるを得ない。千歌に彼女が近づくほどに。

そうやって、これまで無限ループを続けてきた。

そんなことを続ける先に待つのは、やがては精神の破綻に他ならない。

しかし解決は彼女自身がしなければならんのだ。


「よっ、何辛気臭い顔してんだよ。」
「いっ!???って、才君か。」


肩を叩いただけでこの反応。この反応をする人間は基本的にやましいことを抱えているか、ヤバい独り言を言っている人間である。

まぁそれをヤバいと思わず、平気に大声で喚く馬鹿を3人ほど知っているが。(主にバカチカとか筋肉バカとか自称王様とか。)


「お前はちと堅苦しいぞ。」
「へ……?」
「親しき仲にも礼儀ありとも言うが、お前の場合は礼儀にこだわりすぎだ。」
「でもぉ〜」


プクーっと可愛く顔を膨らませる曜。昔から何回も思うが、恋愛感情抜きで可愛い。まぁ千歌でも果南でも他のAqoursの誰でもそうだが。


「デモもストライキもない!このまま黙って見過ごすわけにもいかんだろう。」
「気持ちを伝える……かぁ。」


思い切った曜は俺の前に面と向かって立ち、お得意の敬礼を伴う。


「私渡辺曜は千歌ちゃんのことが全速全進〜ヨーソロー!!???とか?」
「…………ちょっと今日は体調が優れないので部活には行きません。」
「ちょちょちょ!!待って待って待って!!!」
「近寄らないでください。変人の仲間だと思われたくないです。」
「そんなマムシみたいな冷酷な目で見ないでよ!!てか厨二ナルシストの人に変人扱いされたくない!!」
「わかったから胸板を叩くな。」


ポカポカと胸筋を叩く曜。どこぞのウサギ系スクールアイドルと違って、微妙に痛い。

こんなやりとりをしているとグラウンドのフェンス越しに可愛らしい声とキリッとした声が聞こえる。


「2人とも〜!早く来てー!」
「もうすぐ練習ですわよ!!」
「げっ、黒澤姉妹……にマリー……!」
「WOW!2人とも朝からおサカンねぇ〜?」
「「はぁ!?」」
「そんなんじゃ、な、無いし!!」


そう恥ずかしがりながら、俺の先を行こうとする。


「あらぬ勘違いを呼ぶからやめてくれ………」


実際、ルビィが……目の電球が消えかかってるんです
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