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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
70話 過去の話 繋ぐ未来
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押さえて、こちらに引き戻す。幸い《《大事》》には至らなかったようだ。



「曜、ここで大声で叫ぶのはやめてくれ。アレを刺激しかねん。」
「うん........ごめん。」
「しかし才、困ったな????????あのワニ2匹...........」
「あぁ......同感だ。」



正直曜の言葉は半信半疑であったが、言う通りの光景を見せられて信じないわけにはいかなくなってしまった。

俺たちのいる場所は狩野川放水路。狩野川が氾濫しそうな時に開き、住民の窮地を救う救世主。しかし普段は穏やかにチョロチョロと水溜りを作る程度。

そしてどういうわけか、その擬似的な湿地に全長6メートル近くのワニが2匹彷徨っているのだ。

俺たちがいるのは土手。そしてこれもどういうわけか千歌と果南は乾燥してできた三角州に取り残されている。



「まず何であの2人があそこにいるのか知りたいんだが.........今それを聞いても仕方ない。」
「ごめんなさい.........」シュウ
「どうする才?」
「あのワニ.........イリエワニって種だ。クロコダイルの中でも超獰猛の最大種。八丈島とかで確認されたとは聞いていたが、まさかこんなところまで...........だがどんな奴にせよ、あの2人の救出が優先だ。稜、頼んだぞ。」
「頼んだぞって........お前何するんだ?」
「ワニの主食は魚。それを狙って水面に波を立てればそっちに近づくんだ。その隙にあの2人を助けてやってくれ。」



俺は橋を渡って稜と曜のいる土手とは反対側の土手に周り、近くにあったソフトボールくらいの石を投げ、ぽちゃんという音をこだまさせる。

ワニらはその策に引っかかり、その小石の方へとのしのしと向かっていく。

稜はその光景を見て、機会を逃さずに水路に足を踏み入れ、果南と千歌の元へと行く。



「早く行くぞ!今こそチャンスだ!!」
「う、うん..................」



未だに恐怖で体を縛られている果南の返事。そしてそれ以上に震える千歌。かろうじて果南は動けるが、千歌はそれすらできなかった。稜は少し判断を留まった。


果南は震える足で水路の段差をよじ登り、安全圏に入る。あとは千歌だけ..............


抱えてでも行こうか?????だが、そんな隙を逃さなかった。



『グルルルル!!!』
「っっっっっ!!千歌!!!!!」


去っていった2匹とは比べ物にならない大きさのワニが大きな口を開け、氷のように固まった千歌を呑もうとする。彼女は気づいていないが、他の3人はその瞬間に全てのリスクを想像してしまった。

悲しむとかそんな次元ではない。ただただ恐れ慄く。絶望の瞬
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