第四十七話 慕情その十四
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「しかしな」
「それでもか」
「俺達三人は一緒だ」
「そうなるか」
「お前は小鳥と俺を護る為に天の龍になったな」
「人間を護ることがそうなるからな」
「だが俺は人間の世界を滅ぼしてもだ」
例えそうなろうともというのだ。
「小鳥そしてお前とだ」
「一緒にだな」
「暮らす、そうしたい」
「そうか」
「俺はどうも人間かどうかまでは考えられない」
「実は俺もだ」
「不思議だ。俺が勝っても人間は滅びない」
地の龍達がというのだ。
「そうも思えるしな」
「そう言われるとな」
神威もそれはと返した、どうにもと考える顔になりそのうえで封真に対して真剣な声で言ったのだった。
「俺もだ」
「そう思えるな」
「ああ、どうしてもな」
「人間は滅びないな」
「地の龍が勝ってもな、そして俺達が勝ってもだ」
そうなってもというのだ。
「地球は穢されていきだ」
「滅びるか」
「そうなるともだ」
その様にもというのだ。
「どうもだ」
「思えないな」
「ああ」
そうだというのだ。
「本当にな」
「不思議なことにな」
「どういうことだ、だが」
「俺達はな」
「戦う、そして」
「その後でな」
「また一緒に暮らそう」
「そうなろう」
こう話した、学校の中で。そしてその頃。
丁はもう一人の自分にだ、こう言われた。
「天の龍は二人、地の龍は一人」
「このままいけばです」
「天の龍が勝つ」
「そうなります」
「数は強いのう」
もう一人の丁は忌々し気に述べた。
「やはり」
「たとえ一人が倒れても」
「もう一人いるからのう」
「天の龍が有利です」
「これではわらわの思い通りにはならぬ」
決してというのだ。
「難儀なこと」
「それで諦める貴女ですか」
「その筈がなかろう」
これはもう一人の丁の返事だった。
「見ておれ」
「動きますか」
「必ずな、そしてじゃ」
「何もかも滅ぼしますか」
「そうする」
絶対にというのだ。
「覚悟しておれ」
「そう言いますか」
「そしてじゃ」
そのうえでというのだ。
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