第9話:勇者の計算外その2
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恩に着なくて良いのです!着てはなりません」
「えーーーーー?」
マリアンヌ殿が驚く中、ロアーヌ殿が最後の質問をしました。
「で、君が敵とみなした者は……全て斬るのかね?」
……正直、ロアーヌ殿の目が怖かったです。恐らく、某の返答したいで……某の命は無かった事でしょう。
だが、某は臆する事無く言いたい事を言いました。
「斬る!ですが、それ以外は何が遭っても斬る事も傷付ける事も許さぬ!……と父上に教えられてきました」
「……もし、父親との誓いを破ったら、君はどうなる?」
「腹を斬る!速やかに自害し詫びる!」
一同皆驚きました。
「は!?」
「え!?」
「何で!?」
ですが、某は臆する事無くセツナ殿に頼みました。
「故に、某が道を踏み外そうとしたら……頼みます!」
「何を!?」
「介錯です」
「かいしゃく?」
「先ずは某が己で己の腹を斬る。そしたらセツナ殿は某の首を斬り落としてください」
「私があんたを殺せって言う気なの!?」
と、ここでロアーヌ殿が某の言い分を止めました。
「もうそこの獣人をイジメてやるな。ツキツバ・ギンコよ」
だが、先程の殺気は既に無く、どこか穏やかで優しい感じでした。
「君がそこまでの覚悟で戦っていたとは……先程この屋敷に来た無礼者の見立てはやはり間違っていた様だな?」
それを聞いたノノ殿は、恐る恐るロアーヌ殿に訊ねました。
「その……伯爵様を怒らせた人はツキツバさんをなんと?」
それに対し、ロアーヌ殿は不機嫌の溜息を吐きました。
「ツキツバ・ギンコが3桁を超える殺人を犯していた事を密告した上で、その内に秘めたモノを診ずしてこう断言した。『凶悪』……と」
ん?
それって、
「その者、頭に角が生えておりましたか?」
「いや、生えておらんが」
「違うのですか?てっきり、魔王軍の幹部だと息巻いておりましたダーム殿の部下が……とも思っておりましたが……」
「何と!魔王軍の幹部を討伐するはこれが初めてじゃないと!?」
とは言え……もう某にはあいなーくに居場所は無いでしょう?
「ですが、某はどの道この場にいられる事は、もう無いでしょう」
「……このアイナークを去ると?」
「……はい。一食一宿の恩を返す前に去るのは礼儀に反しますが、某が今まで行ってきた戦いの日々が罪だと言うのであれば、これ以上某がここにおればロアーヌ殿にあらぬ汚名が生まれましょう」
ロアーヌ殿は名残惜しそうでしたが停める事はしませんでした。
「……そうか」
「ただ、あいなーくの地下通路以外に、強敵が多くいる合戦場を知りませぬか?」
ロアーヌ殿は少し考え、
「……解った。だが、その前に手紙を書かせてくれ。そして、それをジョナサンと言う運送会社の社長に渡してくれ」
「……解りました」
そして、ロアーヌ殿から
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