第三十章
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「それよりもだ。聞きたいことがある」
「何だ?手短かに言えよ」
「御前等すぐに魔界城に行くのか?」
「ううん、その前に寄るところがあるんだ」
しかしここでウラタロスが言ってきた。
「ちょっとね。決戦前にね」
「寄るところか」
「定番やがちょっと色々な時間に寄る」
キンタロスが言う。
「ちょっとだけな」
「色々な時間って?」
「だからあれだよ。良太郎が一杯いるんだよ」
リュウタロスがラモンの疑問符が浮かび出た言葉と顔に対して答えた。
「良太郎がね。僕達が乗り移って闘う為にね」
「乗り移って闘う」
ラモンはそれを聞いて今度は考える顔になって首を捻った。
「何、それ」
「そなた達と同じだ」
今度はジークが言ってきた。
「そなた達も今ここにいる紅渡に憑いて一緒に闘っていたな」
「ああ、そうだ」
力がジークの今の言葉に対して答えた。
「それはな。その通りだ」
「それと同じだ。そして我々も同じことをする」
「だから僕が何人もいるんだ」
ここで述べる良太郎だった。
「ええと、五人か」
「そうだ。そして俺と侑斗はそのままだ」
「これで五人野上がいることになる」
「それってかなり有り難いよね」
「うん、確かにね」
紅は正夫の言葉を受けて確かな声で頷いた。
「良太郎さんが五人いてくれたら」
「それだけで戦力はかなりのものになると」
「俺と野上が雑魚を引き受ける」
桜井はこう彼等に告げた。
「だからあんた達はそれぞれ頭を倒してくれ」
「頭か」
名護は今の桜井の言葉から二人思い浮かべた。
「俺はどちらを倒すべきか」
「とりあえず名護さんは一人だけにした方がいいよ」
正夫が考える顔になった彼に告げた。
「二人だとやっぱり辛いからね」
「そうだな。確かにな」
そして名護も彼の言葉を聞いて顔をあげて頷くのだった。
「その通りだ。だがどちらと闘ってもいいようには心構えをしておこう」
「それがええで。まあ今はや」
襟立はデンライナーの席で何かを焼いていた。へらを両手にそれぞれ持ち巧みに操っている。
「腹ごしらえもせえへんとな」
「それお好み焼きじゃない」
恵がその彼が今焼いているものを見て言う。
「しかも焼くのかなり上手いし」
「俺今お好み焼き屋やってんねんや」
「えっ、そうだったんですか!?」
紅は今の彼の言葉を聞いて思わず声をあげた。
「何時の間にそんな」
「屋台やけれどな。はじめてんや」
こう紅に対して述べる。
「俺も何かせんとあかんからな」
「それでお好み焼きって」
「最初はたこ焼きとか鯛焼きも考えた」
顔を上げて遠い目になっていた。何故か。
「それでもな。強力なライバルがおったんや」
「ライバルがですか」
「そや、特にたこ
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