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神々の塔
第四十八話 仙人達その一

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               第四十八話  仙人達
 杏の木々が壁になっている階の中を進みつつだ、リーは言った。
「今度は仙人やからな」
「それでやな」
「こうした階やな、結構な」
 隣にいる芥川に話した。
「ええもんやけどな」
「杏見てるとな」
 芥川は木々に実るそれ等を見て言った。
「ついついな」
「食べたくなるか」
「ああ、好きやねん、特にな」
「特に?」
「干したのとな」 
 それにというのだ。
「お酒が好きや」
「杏酒か」
「あれはええな」
「中国のお酒でも絶品やね」 
 綾乃も言ってきた。
「桂花陳酒やライチ酒と並ぶ」
「ほんまやな」
「うちも好きやで」
 笑顔での言葉だった。
「幾らでも飲めるで」
「綾乃ちゃんやとそやな」
「それで芥川君実もやね」
「好きでな」
「今も食べたいんやね」
「そうしたいけどな」
「けどそれは」
 やや真面目な顔になってだ、綾乃は話した。
「止めた方がええね」
「迷宮のもんやしな」
「迂闊に食べへんで」 
「ちゃんと調べてな」
「食べんとあかんで」
「そやな、見れば」  
 芥川は実際に実の鑑定を行って話した。
「毒はないわ」
「そやねんね」
「どんな毒もな」
「中には洒落になってへんもんもあるし」
「一見普通の果物でもな」
「植物はそや」 
 リーが真面目に言ってきた。
「迂闊に口にしたらあかん」
「そやな」
 芥川もそれはと答えた。
「絶対にな」
「ちゃんと調べてな」
「口にせんとな」
「毒になる、特にな」
「この世界ではな」
「毒のある植物が多い」
 実にというのだ。
「しかもや」
「その毒がな」
「種類が多い」
「起きた世界以上に」
「普通の毒に」
 それだけでなくというのだ。
「麻痺に石化もある」
「そやな」
「そやからな」
「余計に注意が必要やな」
「植物に対してな」
「若し変に食べたら」
 シェリルはその場合のことを話した。
「解毒剤とか解毒の術のお世話になるわ」
「そや、何でそうした術や薬が出て来たか」 
 芥川はシェリルにも応えて話した。
「この世界は生きものにや」
「植物も毒を持ってるのが多い」
「そうした世界やからな」
 それ故にというのだ。
「そうした術や薬もや」
「出て来たな」
「そや」
「ほんまそやな」
 シェリルもそれはと応えた。
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