第百八話 乱痴気騒ぎはその八
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「本末転倒だからね」
「注意されていますか」
「そうしてるわ、ただ好きなことはね」
「変わらないですか」
「鯉はあらいも好きで」
その生で食べる料理もというのだ。
「他に鯉こくも。特に一匹丸ごと揚げたのが」
「丸揚げですね」
「あれが好きよ、お魚の丸揚げはね」
「鯉じゃなくてもですか」
「好きでね」
それでというのだ。
「飲みながら食べるのが」
「いいですね、子供の頃お魚って今一つ苦手でしたけれど」
富美子が言ってきた。
「けれど」
「お酒飲む様になったらいいでしょ」
「どんなお料理でも」
「それがお魚よ、お肉もいいけれど」
「お魚はですね」
「むしろお魚の方がね」
肉よりもというのだ。
「合うわね」
「お刺身とかお鍋もそうで」
「天麩羅も唐揚げもフライもね」
揚げてもというのだ。
「いいし煮ても焼いても」
「やっぱりいいですね」
「干し魚でもね」
「いけますね」
「そうでしょ、私子供の頃お魚嫌いだったのよ」
店長は笑って話した。
「けれど今はね」
「大好きですか」
「お酒飲む様になってね」
それからというのだ。
「むしろ酒池肉林よりもね」
「お魚ですか」
「そっちの方がいいわね、それで乱痴気騒ぎもね」
「されないですね」
「それよりも鯉の丸揚げ前にして」
鯉料理の中で最も好きなそれをというのだ。
「お酒飲む方がね」
「いいですか」
「安全だしね、そんな遊びしなくても」
それでもというのだ。
「幸せになれるでしょ」
「飲んで食べて」
「そうよ、後で妊娠とか性病になるよりも」
それよりもというのだ。
「精々二日酔いになるか食べ過ぎで苦しいかでしょ」
「飲み放題食べ放題ですと」
「だからね」
それでというのだ。
「そっちで楽しむ方がね」
「いいですね」
「それが一番いいのよ、飲んで食べられれば」
「お腹一杯」
「それでお財布の問題も手頃なら」
それならというのだ。
「もうね」
「それで、ですね」
「最高でしょ、無茶苦茶な遊びしなくても」
乱痴気騒ぎの様なというのだ。
「人は幸せになれるのよ」
「そっちの酒池肉林でなくても」
「そうよ、何かそんなお話してたら」
店長は脚を右に組みなおしてまた言った、見れば見事な脚が酒のせいで桜色になって余計に色香を出している。
「もっと飲みたくなったわ」
「酒池ですね」
「お肉はないけれど」
柿ピーやポテトチップスを見て話した。
「別にいいわね」
「こうしたのもいいですよね」
留奈はピーナッツを食べて応えた。
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