第百八話 乱痴気騒ぎはその二
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「これがね」
「じゃあ焼肉食べ放題で」
「それでお酒飲み放題だとね」
「それだけで酒池肉林ですね」
「今はね」
そうなるというのだ。
「なるわ」
「そうですか」
「もうね」
それこそというのだ。
「簡単にね」
「酒池肉林って出来るんですね」
「そして私その酒池肉林も好きなのよ」
約肉食べ放題酒飲み放題がというのだ。
「これがね」
「そうですか」
「というか乱痴気騒ぎとかじゃないから」
本来の意味はというのだ。
「焼肉でね」
「お酒飲み放題ならですね」
「それでよ」
「酒池肉林ですね」
「今じゃそうだからね」
「何でもないですね、それじゃあ」
かな恵は考える顔で応えた。
「ホルモンでもですね」
「そうよ、お肉だからね」
「肉林になるんですね」
「ホルモン食べてビール飲んでもね」
「酒池肉林ですね」
「そうなるわ、ただ健康にはね」
店長はストロング系のレモンを飲んでいるかな恵に笑って話した、脚を今は組んでおらず普通に座っている。
「ビールとホルモン続くと」
「よくないですね」
「痛風になるわよ」
「そうですよね」
かな恵もそれはと答えた。
「その組み合わせは」
「そう、実際ホルモン好きでね」
「ビールも好きで」
「痛風になった人いるから」
「そうですね」
「お肉自体も」
ホルモンでなくともというのだ。
「やっぱり過ぎるとよくないわね」
「あの、ビールですけれど」
一華はそのビールを飲みつつ店長に言った。
「ホルモンよりも」
「そうそう、プリン体が多いからね」
「痛風になりやすいですね」
「ドイツ人で痛風が多いのも」
ビールで有名なこの国がというのだ。
「そのせいよ」
「ビールですね」
「朝からビール飲んで」
「食欲ないなら生卵入れて」
「当然生卵もよくないから」
「そこにソーセージ、ベーコン、バターを乗せたジャガイモに」
「しかもケーキときたら」
ここまで揃えばというのだ。
「当然ね」
「痛風多いですね」
「あの総統さんも飲んでいたらしいけれどね」
どの総統かはもう言うまでもなかった、それこそここにいる全員がその言葉だけでわかる鉤十字の人物である。
「たまに」
「たまにですか」
「あの人お酒飲まなかったけれど」
ワインを飲んでいる場面を目にして驚いた人もいた位だ。
「煙草もね」
「それで基本菜食主義で」
「そんな人だったけれどね」
それでもというのだ。
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