【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
【第7節】背景設定6: 次元航路と次元世界の海図について。
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)厚い金属の壁などでそれらの中性子を物理的に減速させるしかありません。
つまり、このタイプの核融合反応炉は必然的に巨大なサイズになってしまい、なかなか小型化や軽量化ができないのです。
これに比べると、3の反応は(技術的には、より難しい条件が要求されますが)完全に陽子とアルファ粒子しか発生しないため、魔導技術の応用によって維持される「強大な磁場」だけで完全に制御することができます。
また、可住惑星でこそ、ヘリウム3は大変に希少な元素ですが、巨大ガス惑星の大気圏内には、事実上「無尽蔵に」存在しています。
(一般に、巨大ガス惑星の大気は1割ほどがヘリウムで、そのヘリウムのうち、7000分の1ほどがヘリウム3です。)
そのため、星系内での惑星間航行技術が進歩し、巨大ガス惑星の周回軌道上に専用のプラントを築くことができるようになると、ヘリウム3は「大変に低コストで得られる燃料」となります。
だからこそ、次元世界では古来、「核融合」と言えば、もっぱら「ヘリウム3同士の融合反応」のことなのです。】
現代の次元航行船は、大気圏内では一般に「魔力駆動炉の出力」によって上方への浮力を得て、「核融合炉の出力」によって前方への推力を得ています。
核融合炉の出力とは、具体的には「陽子やアルファ粒子の噴射」ですが、それらは大気圏内では即座に電子を捕獲して水素原子やヘリウム原子となります。
また、それらは大変に高温なため、水素は即座に大気中の酸素と反応して水蒸気になりますが、これらはいずれも(熱が冷めさえすれば)人体には完全に無害であり、間違っても、核分裂反応のような「放射能汚染」は生じません。
【現在の地球では、核融合と核分裂を同列視してしまっている人々も少なくは無いようですが、実際には、両者は全くの別物なのです。】
魔導機関の技術水準が高くなればなるほど、次元航行船における核融合炉への依存度は減少していきますが、現在の人類の技術では、まだ「物理燃料(ヘリウム3)への依存」を完全にゼロにすることはできません。
〈ゆりかご〉だけは、魔力駆動炉の出力が100%で、物理燃料を一切使用していませんでしたが、あれは〈アルハザードの遺産〉なので全くの例外です。
【新暦75年の事件においても、〈ゆりかご〉はただ「大気圏を離脱するだけ」に何時間もかけていましたが、それも「物理燃料による推力」が全く無かったからなのです。
実のところ、あの時の〈ゆりかご〉は魔力によって重力の束縛を断ち切り、ただゆっくりと上昇していただけで、特に前進はしていませんでした。
かなりの低速で西へ向かって飛んでいるように見えたのも、実際には、ただ『惑星ミッドチルダの(西から東への)自転運動に対して少々「置いてけぼり」を食らっていた』というだけのこ
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