暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
 【第6節】キャラ設定6: ブラウロニアとミカゲ。
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で、罪の無い小児(こども)が死にかけている』というのであれば、また話は別です。
 はやての指示により、シャマルは手早く、弟の体を抱きしめて狼狽(うろた)えているブラウロニアに現地の言葉で事情を説明しました。そして、はやては、状況を理解したブラウロニアとその弟を、シャマルとともに転送で〈ヴォルフラム〉に収容。シャマルはそのまま少年の緊急手術を行ないます。

 技術的には決して難しい手術ではなく、アルカイオスは問題なく助かりました。
 それでも、コリンティアの医療技術では、おそらく助かってはいなかったでしょう。ブラウロニアは涙ながらに、はやてに繰り返し、くどいほどに感謝します。
 はやては半ば事情聴取のつもりで、ブラウロニアに「このような事態に到った事情」を話すよう(うなが)しました。
(逮捕した武器購入者たちの事情聴取は、ルーテシアとファビアに任せています。)

 そして、一連の事情を把握した上で、はやては彼女に「今後の身の振り方」を尋ね、ブラウロニアが何も答えられずにいると、『本当に(ほか)に行くところが無いのなら、ミッドに来てはどうか』と誘いました。
「それに答える前に、一度、実家の様子を見せていただけますか?」
 ブラウロニアにそう()われて、はやては上空からの映像を拡大し、艦橋(ブリッジ)のモニターに(おお)写しにしましたが、すでにエレクテイオン家の居館(やかた)は跡形も無く燃え落ちていました。王宮の近衛隊もすでに撤収したようです。
 生命反応は、もう全くありません。
 その説明を聞いて、ブラウロニアは両親や使用人たちの死を(いた)みながらも、ひとつ重大な決意を固めました。

『あなたの(おっしゃ)るとおり、私はミッドチルダに帰化します。つきましては、最後に、主君である老王に一言、(いとま)()いをさせてください』

 しかし、このまま〈ヴォルフラム〉で王宮に乗り付けてしまうと、たとえこちら側にその意図は無かったとしても、『管理局が、管理外世界の国家権力を武力で威圧した』という形になってしまいます。
 とは言え、王宮は今や彼女にとって「敵の根拠地」でもある訳ですから、そこへブラウロニアを単騎で乗り込ませる訳にもいきません。
 ブラウロニアは、はやてのそうした説得を受け入れ、やや不本意ながらも、(いとま)()いは書簡で済ませることにしました。

 そして、その書簡は翌日、未明のうちに、リインが密かに老王の許へと届けました。
 リインは王宮の上空で久々に「手乗りサイズ」の姿となり、警備の目をかいくぐって、小窓から老王の病室に侵入。まだ眠っていた老王をシャマル直伝(じきでん)の「回復魔法」で叩き起こし、直接に書簡を手渡して、また去って行きます。
 一方、その書簡から一連の状況を理解すると、
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