【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
【第5節】新暦84年の出来事。
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できませんでした。
(後に、メルドゥナは『もしかして、私の不手際のせいで?』などと思い悩みましたが、実際には全然そういうレベルの問題ではありませんでした。)
【グリドヴァルカの旧市街で、『三人のサイコパスな魔導師が、半グレ集団やヤクザ組織をも巻き込んで「愉悦系の殺人合戦」と「三つ巴の血みどろの暗闘」を繰り広げた』というこの凄惨な事件は、後に、最後まで「要塞のような自宅」に立てこもって抵抗を続けた魔導犯罪者の名前を取って、「ゾグリモッド事件」と呼ばれることになります。】
7月末、現地陸士隊の取り調べ室でも、ゾグリモッドは意味不明の供述ばかりを繰り返していました。ティアナは、補佐官の二人とともにモニター越しにその様子を観ていて、思わずゲッソリとなります。
「ダメだわ。『単語の意味』は全部、解るのに、『文章の意味』が……と言うか、こいつが一体何を言っているのかが、ゼンゼン解らない……。(困惑)」
「父からの受け売りですが、犯罪者たちの中には『当たり前の理屈が通用しない狂人』も大勢いるそうですからねえ。犯罪者の『言葉の意味』については、あまり考えすぎない方が良いんだろうと思いますよ」
(そう言えば、この子の父親も、ゲンヤさんと同じ「陸士隊の部隊長」だったわね。)
ティアナは、メルドゥナの言葉にそんな感想を抱きながらも、声に出してはこう返しました。
「まあ、確かにそうなんだろうけど……。私、ここでの調書をベースにして、これから『上層部に上げる報告書』を書かないといけないのよね」
「あああ。それは、何と言うか……御愁傷様です」
「他人事みたいに言ってんじゃないわよ! アンタも執務官になったら、自分でやらなきゃいけないんだからね。今から練習だと思って、ちょっと手伝いなさい!」
メルドゥナは思わず、ウェンディに「助けを求めるような視線」を送りましたが、ウェンディは念話であっさりとこう返します。
《ああ。あたしは最初から執務官志望じゃないっスから。》
《ええ〜〜〜。》
メルドゥナの「苦難の道」は、まだ始まったばかりでした。(笑)
また、この事件の最中に、ティアナはふと気がつきました、
普通の魔導師は、先に陸戦スキルが発現して陸士になって、後から空戦スキルが発現して空士に転向するものなのですが、メルドゥナの場合はその順序が逆だったのです。
空戦スキルの方が「部分的に」先に発現してしまうというのは、相当に珍しいケースではありますが、前例が無いというほどのことではありません。
そこで、事件が完全に終了してからのことですが、ティアナはメルドゥナに、『この様子なら、慣性コントロールのスキルもいずれは発現するだろうから、それほど心配しなくても良い』ということを伝えました。
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