【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
【第5節】新暦84年の出来事。
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は、優しくて、柔らかくて、良い匂いのする人デス」
(どこが柔らかいのかは、多分、訊かない方がいいんだろうなあ……。)
「でも、何だか、リンカーコアが怪我をしているみたいデスね」
「解るの!?」
ミカゲはこっくりとうなずくと、またニコニコ顔で唐突にこんなことを言い出しました。
「この怪我が早く治るように、ミカゲがおまじないをするデスよ!」
《えっ? お、おまじないって?》
《ああ。ゴメンな、フェイトちゃん。なんや、その子、そういうの、好きみたいなんよ。効果も無いやろうけど、取りあえず害も無いはずやから、笑って受けてあげて。》
《まあ……そういうことなら……。》
フェイトが了承すると、ミカゲは実に神妙な面持ちで、見るからに奇妙な踊りを踊りながら、フェイトの周囲を右回りに三回ぐるぐると回りました。
その後、ミカゲは、なのはに対しても全く同じことをします。
また、ヴィヴィオとカナタとツバサも、それぞれ別の理由をつけて、結局は周囲を右回りに三回ぐるぐると踊られてしまいました。
どうやら、ミカゲは少し変わった子のようです。(笑)
「それにしても、やっぱ、赤ちゃんは可愛えなあ。なんや、私も欲しくなって来たわ」
はやては、カナタとツバサの「まだかなり危なっかしい、よちよち歩き」を見て、思わずそんな感想を漏らしました。
「でも、はやてちゃんは産休を取ってる暇なんて無いでしょ?」
「問題は、それなんよ。一応、七年前には卵子もかなり多めに取って、凍結保存はしてあるんやけどな」
当然の話ではありますが、ミッドの医療技術をもってすれば、一度に大量に採卵することも容易な作業であり、その女性の体への負担もほとんどありません。
「七年前って……どこの病院でやったの?」
なのはとフェイトが利用した例の「局員専用病院」は、開業がまだ五年前のことです。
「ん〜。実を言うと、アンナのお父さんは大病院の院長さんでな。あの子が八神道場に通い出した頃に、お母さんがわざわざ挨拶に来て……何や、ベルカ系っぽい名前の女やったけど……そのままウチでセールストークを始めたんよ。
『若いうちに元気な卵子を保存しておけば、四十を過ぎてからでも充分にイケます』とか言われてなあ。それで、私も何やその気になってもうたんや。……よぉ考えたら、年齢以前の問題として、私にはそもそも相手がおらんのやけどな」
はやては、やや自嘲気味に視線を落として悲しげな声を上げました。
(……そうか。八神家の他の皆さんは、減数分裂した細胞や生殖器官なんて持ち合わせてないんだ。)
なのはも、一拍おいてそれに気がつきます。
ところで、カナタとツバサはすでに離乳していました。
「二人の授乳シーンとか、私もナマで見たかったなあ。(笑)」
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