【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
【第4節】アインハルト、大叔母との会話。
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、約束するわ。もし業者を呼べる状況になったら、あの書斎に在る本やノートやメモの類は、全部まとめて一つ残さず、あなたの家へ送ってあげる」
「全部ですか?」
「だって、あなたが欲しいモノと欲しくないモノの区別なんて、私には解らないもの」
「いや、そういうことではなく……お姉さんの方は、それで大丈夫なんですか?」
「ええ。姉さんは昔から本なんて読まない人だし……それに、『姉さんが亡くなったら、あの土地も家屋もその中に在るモノも、すべて私が単独で相続できる』ということで、もう遺言状は出来ているから……姉さんがまだ病院とかで生きているうちに、私があなたにそれらのものを勝手に譲ってしまったとしても、姉さんは事後報告で了承してくれるはずよ」
「解りました。それでは、その線でよろしくお願いします。あと……火災にだけはよくよくお気をつけください」
「そうね。それは本当に気をつけないと。……それじゃ、悪いんだけど、そういうことで、気長に待っていてくれる?」
「はい。そうします」
互いの住所や連絡先は、すでに解っています。
約束を取り付けることができただけではなく、こうした一連の対話で、お互い心理的にも、ある程度まで歩み寄ることができたのは、とても良いことでした。
また、そうした対話の後、担当の法務官が定刻より少し遅れてその部屋に到着し、二人は「必要な書類への署名」など、法律上の手続きを手早く済ませました。
「はい。これで、お二人の『保護者と被保護者という関係性』は円満に解消されました。本日は、お二人ともご苦労様でした。どうぞ、お気をつけてお帰り下さい」
法務官の形式的な言葉に従って、アインハルトとドーリスはそれぞれの帰途に就きました。
【そして、結論から先に言えば、アインハルトは『ニコラスの手記』を手に入れるまで、これからさらに7年あまりもの間、待たされることとなったのです。】
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