【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
【第3節】新暦83年の出来事。
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明日からは、またしばらくバタつきますけど」
「うん。そんなに急ぐ話じゃないんだ。実は、私の親友の妹が、本気で執務官を目指していてね。先日は取りあえず『第一種・甲類』の補佐官試験に合格したんだけど、問題は『来年の春から誰の下で働くか』ということで……念のために訊くけど、あなた、二人目の補佐官を迎える余裕って、あるかしら?」
「私が担当するのは、もっぱら凶悪事件ばかりですけど、大丈夫ですか?」
「うん。ちょっとクセの強い魔法を使う子だから、並みの執務官では、むしろ彼女をあまり上手には扱えないんじゃないかと思うのよ」
(……ああ、そうか。これ、本来なら、フェイトさんに頼むはずの話なんだ。)
ギンガは決してそういう言い方はしていませんでしたが、ティアナは、何となく察してしまいました。
(フェイトさんには、いろいろとお世話になって来たからなあ……。)
ティアナは、たっぷり3秒ほど考えてから、『解りました』と応えます。
「多分、本人も年内は研修とかで忙しいでしょうから……年末の『余り日』にでも、一度、会ってみましょう。具体的な話はそれから、ということで」
「ありがとう。他でもないあなたにそう言ってもらえると、本当に助かるわ」
ギンガは期せずして、フェイトと全く同じセリフを言いました。
「ところで、その子、どういう名前でしたっけ?」
「ああ、ごめんなさい。メルドゥナ・シェンドリールよ。あなたに鍛えてもらえれば、あの子もきっと良い執務官になるわ」
(まだ『私の補佐官にする』とは言ってないんですけど。……この人も、押しが強いなあ……。)
ティアナが通話を終えると、隣の運転席でスバルが思わず苦笑を漏らします。
「ウチのギン姉が、ごめんね〜」
「いや。まあ、それは別にいいんだけどさ。……なんだって、こういうことって、同じ日に重なるのかしらね?」
「幾つも重なっちゃう日とか、意外にあるよね〜」
「これって、確率論的に、異常しいような気がするんだけど?」
「たまに、こういうことがあるから、昔の人たちは『星回り』とか、信じちゃったんだろうね〜」
「私は、そんなオカルト、信じないわよ……」
ティアナは自分に強く言い聞かせるかのような口調で、そうつぶやいたのでした。
この年の12月、IMCSの第31回大会は最終的に、アインハルト(16歳)が連続五回目の出場で、念願の「世界代表戦・初優勝」を遂げました。
決勝戦の相手は現地ドナリムの代表で、準決勝戦では「疑惑の判定」で勝ち上がって来た選手でしたが、アインハルトは「文句などつけようの無いKO勝利」でこれを下したのです。
優勝旗を四年ぶりでミッドに持ち帰り、クラナガンでの「凱旋パレード」を終える
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