第二十八章
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「あそこだな。間違いない」
「魔界城」
「話せば長くなる」
力が正夫に話す。
「場所を変えるか」
「それに。この城の魔界城って言われてもな」
「何処にあるんでしょうかね」
キバット三世もタツロットもそのことに首を傾げるばかりだった。魔界城があるといってもこの時代は何処にあるのか見当がつかなかったのだ。
「二十二年前と同じならいいんだけれどな」
「そうともばかり限りませんよね」
「そうだね。だから何処にあるのかが問題なんだけれど」
紅も彼等の言葉を聞きながら腕を組んで考える顔になった。そうしてそのうえでこれからのことを考える。しかしここで良太郎が彼等に対して言ってきた。
「それならね」
「それなら?何かあるの?」
「うん、デンライナーを使えばそれで辿り着けるよ」
こう紅達に述べてきたのだ。彼は穏やかな顔だった。
「あれだとね。それでどうかな」
「そうだな、渡」
「ここは御好意に甘えませんか?」
キバット三世とタツロットがまた紅に言ってきた。
「魔界城に一気に行けるんだったらな」
「もうここはそれで」
「けれどそれは」
「いや、気にするな」
図々しいと思い渋る彼に対して桜井も言ってきた。
「困った時はお互い様だからな」
「いいの?それで」
「どうしてもというのなら闘いで返してくれ」
そしてこうも紅達に対して言うのだった。
「それでいいな」
「闘いで」
「そうだ。どっちにしろ今から闘いに行くんだ」
何故魔界城に行くのか。それを考えれば答えは出ていた。やはりそれしかなかった。そしてその話を聞いて紅達も遂に頷いたのだった。
「それじゃあ」
「よし、その好意に甘えよう」
「では。そのデンライナーにな」
「乗せてもらえるかな」
紅だけでなく名護、登、正夫もそれに応えた。四人はそれでいいとしたのだった。
三人のモンスター達もであった。彼等も四人と意見は同じだった。
「そうだな。そこまで言うのだったらな」
「御願いさせてもらうよ」
「そのデンライナーに乗せてもらう」
「よし、これで決まりだな」
「うん、そうだね」
良太郎は三人の言葉を聞いたうえで桜井の言葉に対して頷くのだった。
「じゃあ皆、デンライナーに乗って」
「乗せてもらうのはいいけれど」
紅はここでまた首を少し傾げさせて言うのだった。
「そのデンライナーってのは何処なの?」
「ああ、それは心配ないで」
「すぐに来るから」
その首を傾げさせた紅に対してすぐに襟立と恵が言ってきた。
「ホンマすぐやから」
「気にしないでいいわ」
「すぐって?」
「あっ、来た来た」
「早いな」
紅が彼等の言葉にまたしても首を傾げさせたところでまた良太郎と桜井が言った。彼等が見上げたそこに早速二両の電車が
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