【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
【第2節】新暦82年の出来事。(後編)
[1/10]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
さて、〈エクリプス事件〉の際には、ヴァイゼンの「魔導機器総合メーカー」であるCW社(カレドヴルフ・テクニクス社)が、最新鋭のAEC武装や人型機械端末「ラプター」を特務六課に提供し、六課はそれによって実際に大きな成果を上げました。
【昨年の9月に CW社は本社ビルを感染者に襲撃され、ビルが全壊して相当な数の死傷者を出したりもしましたが、幸いにも「企業全体としては」深刻な被害にまでは至っていませんでした。
また、その際に、犯人側が『これは、五年前のゼムリス鉱山への襲撃と同様、CW社の会長グレイン・サルヴァム個人への報復でもある』と明言したため、彼にも幾つかの嫌疑がかけられましたが、いずれも「証拠不充分」で不起訴となりました。】
こうした一連の「管理局との関連強化」によって、CW社の将来はもう安泰になったかとも思われていたのですが……。
実は、CW社は「会長の特命」により、〈管3ヴァイゼン〉の観光都市モグニドール郊外の丘陵地帯にある秘密地下工場で「新型兵器」を開発していました。
「AMF発生装置や電磁加速砲などを極秘裡に搭載した、体高5メートルを超える大型の多脚砲台」です。
しかし、7月の中旬に、この新型兵器は起動実験でいきなり無人のまま暴走し、その秘密工場を内側から完全に破壊してしまいました。
もちろん、この多脚砲台は管理局の「質量兵器の廃絶」という理念にも、それを実現するための具体的な法令にも、あからさまに違反した「質量兵器」であり、これをただ完成させただけでも、CW社は「明らかに有罪」です。
それなのに、この多脚砲台は自力で地下工場から地上へ脱出すると、またいきなりモグニドールの市街地にまでレールガンで砲撃を加え、無差別に多くの人命を奪いました。
ラウ・ルガラート執務官(35歳)とその補佐官チームが「たまたま」休暇中の慰安旅行で現地を訪れていたため、彼等がこの突発的な事態にも速やかに対応して、この新型兵器を破壊してくれたのですが……もしも彼等がいなければ、モグニドールは為す術も無く灰燼に帰していたに違いありません。
しかし、主犯とも言うべき「会長」グレイン・サルヴァム(公称、80歳)は、全壊した秘密地下工場の中ですでに絶命していました。
しかも、その多脚砲台に中枢回路として内蔵されていた「生身の脳髄」は、どうやら、彼自身の記憶継承クローンから取り出した脳髄だったようです。
(もちろん、これもまた、重大な違法行為でした。)
また、この兵器の開発と製造は完全に彼個人の独断であり、CW社の中にも『彼が一体何故そんなことをやらかしたのか』について、その理由を知る者はいませんでした。
この事件の結果、CW社はヴァイゼ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ