暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
 【第2節】新暦82年の出来事。(後編)
[7/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
以上に老けた様子でしたが、後から聞いた話によると、人造生命体の寿命は使い魔ほど短くはないが、普通の人間ほど長くもないのだそうです。
「やあ。久しぶりだねえ、八神はやて。去年は、また大活躍だったそうじゃないか。今日は、ハーディス・ヴァンデインのことでも聞きに来たのかな?」
 確かに、ハーディスについても幾つか訊きたいことはありましたが、残念ながら、今回は「通話を許可された時間」にそれほどの余裕はありません。また、それでなくても、犯罪者に必要以上の「借り」を作るのは、やはり得策ではないでしょう。
 はやては必要最小限の言葉で、こう(こた)えました。
「いや。今回はその話やない。グレイン・サルヴァムの話や」
「ああ。〈モグニドールの惨劇〉の主犯か」
何故(なんで)、お前がそれを知っとるんや?」

 はやては少なからず怒りの色を見せましたが、スカリエッティはそれには答えず、以下のような内容を語りました。意外にも、いささかながら協力的な態度です。
(あるいは、彼のような存在にとっても、やはり年単位の孤独は耐え(がた)く、誰かと会話をすること自体に飢えていたのかも知れません。)
『彼とも直接の面識は無いが、裏の世界では有名な人物だったからね。私も名前ぐらいは聞いているよ。確か、若くしてスクライア一族のノウハウを手に入れた後、先史時代の遺跡で幾つかの遺物を掘り当て、その技術を使って財を成し、買収した企業をみずから「カレドヴルフ・テクニクス社」と改名したのだとか。
 その当時から、年齢詐称疑惑だとか、実の妹に自分の子供を産ませたとか、謎の宗教結社に所属しているとか、いろいろと胡散(うさん)臭い話題には(こと)()かない人物だったよ。
 常に何かに駆り立てられているような人物だった、とも聞いている。おそらくは、何かしら大きな野望を……さもなくば、深刻な心的外傷(トラウマ)による強烈なストレスを……(かか)えていたのだろうね』

 結局のところ、はやてにとっては、それほど有益な情報は得られなかったのですが、それでも、スカリエッティは4年前のマリアージュ事件の時と同じように、また『そろそろドゥーエの命日だから』と言って、堂々とベルカワインを一本、要求して来ました。
 三回忌や七回忌を特別視するのは、随分と古い時代の作法ですが、あえて拒絶するほどの理由もありません。
 はやては、差し入れを約束して、スカリエッティとの短い面会を終えたのでした。


 また、10月には、今年もIMCSの都市本戦がありましたが、ナカジマジムにとって、今回の組み合わせ順は相当に運の悪い代物でした。
 コロナは、都市本戦に初出場で、初戦は無事に突破しましたが、2回戦で同門のリオ(13歳)に当たってしまい、()しくもここで敗退します。
 ヴィヴィオも
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ