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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第6章】なのはとフェイト、結婚後の一連の流れ。
 【第2節】新暦82年の出来事。(後編)
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の血縁者について何かを知っている人は、一人もいないらしいの」
「しかし、司書長の血縁者とも全く関係が無いとなると……いよいよ『レイジングハートの謎』は深まるばかりですねえ」
「まあ、私としては『実際に(ふた)()けてみたら、ゼンゼン大した話じゃなかった』なんてことになるような気がしてるんだけどね。(笑)」

 また、シャーリーは「特別な血筋」にちょっと「憧れ」があるようです。
「確かに、グリフィス君とは『(おさな)馴染(なじ)み』ですけど、私の実家は、たまたま『ロウラン家の別邸』の隣近所にあったというだけで、ウチの一族は大昔から、全くの平民ですから。元はベルカ貴族のロウラン家とか、司書長みたいに出生に何か秘密のある人とか、ちょっと憧れちゃいますね」
 その後も、シャーリーは、さんざん一人で喋ってから帰りました。(笑)


 そして、翌朝、なのはとフェイトの専用の病室に、今度はグラスト・ブラーニィ医師(20歳)がやって来ます。
「あれ? グラスト君?」
「その服装は……ああ。もう研修医は卒業したんですね」
「おかげさまで。今月からは『ドクター』ですよ」
「じゃあ、もう『グラスト先生』って呼ばなきゃいけないね」
 なのはに持ち上げられると、グラストはちょっと困ったような笑い声を上げました。
「名前はドクターでも、まだまだ使いっ走りですよ。それで、実を言うと、今日は上司からの指示で、お二人に、ひとつ懸念を伝えに来ました。強い魔力を持つ方々(かたがた)には、例外なくこれを伝える『決まり』になっているんです」
 グラストが語ったのは、要するに、『子供には魔力が全く無い可能性もある』という話でした。同じ血を引いているからと言って、必ずしも子が親に似るとは限らないのです。
 しかし、なのはもフェイトも、その件に関しては、すでに覚悟が出来ていました。

 以下は雑談になりますが、グラストは「将来の夢」を訊かれると、嬉々として「シード仮説」について語り始めました。
 これは、元々は「魔力の隔世遺伝」を説明するために考案された仮説です。つまり、『リンカーコアを持たない者から、それを持つ者が生まれて来るのは、何故なのか』という問いに答えるための「考え方」であり、少なくとも現状では、『この考え方が正しいか、否か』を客観的に証明することはできません。その意味では、「オカルト分野の話」と言われても仕方が無いでしょう。
 この仮説では、リンカーコアという「存在そのもの」は、本質的に「万人が持っているモノ」だと考えます。ただ、普通の人間の体内では、リンカーコアは完全に「潜在化」しており、『現在の技術では、まだそれを観測することができない』というだけのことなのです。
 このような、リンカーコアの『外部からは存在を確認することもできないし、
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