第三部 1979年
曙計画の結末
美人の計 その2
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。
早速だが、今週の土曜……いや現地時間の金曜午後6時に出向く。
サンフランシスコの支那人街のレストランあたりを貸し切って来い」
そういうと電話を一方的に切った。
宇宙怪獣BETAが暴れまわる異世界にある戦術機企業フェイアチルド。
この世界のフェイアチルド社もまた、われわれの世界同様、大規模な半導体メーカーを子会社として抱えていた。
ここで、われわれの世界にあるフェアチャイルド・セミコンダクターに関して簡単な説明を許されたい。
同社は、1957年にトランジスタを開発したショックレー・トランジスター・コーポレーション出身の人物8名がつくった世界初の半導体メーカーであった。
カリフォルニア州のシリコンバレーに拠点を置くと、ここを基盤にし、多くの半導体技術者が育ち、そして独立していった。
一例をあげれば、インテル、ザイログ、ナショナル・セミコンダクター、アップルコンピュータ―。
彼らの発展は、フェアチャイルド・セミコンダクターの存在なかりせば、出来ないほどであった。
マサキの思惑は、ファントムの制御システムなどではなかった。
フェイアチルド・リムパリックの持つ半導体技術をそっくりそのまま、自分の手に入れる足掛かりが欲しかったからだ。
前の世界だと、ちょうど1979年にフェアチャイルド・セミコンダクターは資金難のため身売りをしていた。
その後も幾度か買収計画があり、日本企業の富士通が1986年に購入を計画するも対米投資委員会の懸念により阻止された経緯がある。
マサキが、フェイアチルド・リムパリックに近づいた真の目的は、ずばり会社の設立だった。
このICチップの技術を利用して、この世界においても、前の世界で作った『国際電脳』を再建するつもりである。
300万トンを超える金塊を元手にして、ドルに換金し、米国企業を買収して、自分の資金源の会社を作る。
ソ連のように力づくではなく、長い時間をかけて、米国の電子通信網やインフラストラクチャーに影響を及ぼす半導体・ソフトウエア企業に潜り込む方策を取ることにしたのだ。
これは前の世界で、世界シェア7割を収めたコンピューター企業・国際電脳の手法をそのまま用いたものだった。
ダミー会社だったために、中共が開発していた深セン市に本社機能を置いた。
深セン市は、香港に隣接する立地条件から、ケ小平が進めた文革後の経済開放政策によって開発された経済特区の一つであった。
我々の世界では、「支那のシリコンバレー」と称される場所で、世界的な半導体下請けメーカーである台湾のフォックスコンこと鴻海精密工業が市内に最初の工場を設けたことはつとに有名であろう。
あの時も、中共上層部に上手く工作して、電子機器メーカーを作っ
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