第四十七話 慕情その七
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「手当てを受けないとな」
「僕もです」
「俺はちょっと隊舎の病院に行って来る」
「その服は自衛隊の方と思いましたが」
「陸上自衛隊所属さ」
征一狼に微笑んで答えた。
「俺はな」
「そうですか、やはり」
「まあ適当に交通事故に遭ったとも言って」
そしてというのだ。
「手当受けるな」
「そうされますか」
「だからあんたもな」
征一狼にあらためて話した。
「早くな」
「病院に行くことですね」
「そうしなよ、いいな」
「お互いそうすることですね」
「ああ、ただ二人共な」
今度はお互いの傷を見て話した。
「暫く戦えないな」
「そうなりましたね」
「天の龍を一人戦えなくするつもりだったけれどな」
「貴方もとはですね」
「封真に負担かけるな」
申し訳なさそうに言った。
「??がどうかだけれどな」
「すいません、草薙さん」
ここで??がその場に来て言ってきた、二人共それぞれの傷口を抑えて何と語っているがそこに彼も来たのだ。
「これ以上は無理です」
「かなりの深手だな」
「すいません」
「仕方ないさ、それで相手の天の龍はどうなったんだ」
「護刃さんですか、戦えなくなりました」
??はここでも知らないまま答えた。
「犬が一旦消えて幼犬になったので」
「犬!?それに護刃か」
「はい、猫依護刃さんです」
征一狼が答えた。
「僕と同じ天の龍です」
「クランプ学園ではよくしてもらっています」
また??が話した。
「いつも」
「そうか、まさかな」
「まさか?」
「いや、何でもない。先に行ってくれるか」
草薙は??に思うところを隠して告げた。
「俺は暫く休んでな」
「そうしてですか」
「隊舎、基地の病院に行くな」
「そうされますか」
「自衛官ってのは色々面倒でな」
少し苦笑いになって??に話した。
「こうした怪我をした時はな」
「部隊の方にですか」
「行った方がいいんだよ、じゃあな」
「はい、先にですね」
「行ってくれ」
「僕も先に退いた方がいいですね」
征一狼は草薙の様子を見て気付いて言った。
「ここは」
「そうしてくれるか」
「はい、命に別状はなくとも」
自分の怪我はというのだ。
「ですが」
「それでもか」
「ここはです」
「退いてか」
「邪魔者は消えます」
「悪いな」
「いえ、今は敵同士ですから」
「そうしたことは言わないか」
征一狼を見て微笑んで述べた。
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